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憲法をめぐる報道など

2024年05月03日(金)

憲法記念日,だから,護憲,というのではなく,憲法のあり方を考えよう,
というところだと考えたいけれど,
ちょっと引っかかる.
日本経済新聞の記事なのだけれど,
先月の岸田首相のアメリカの国会での演説にかんする記事で,
この記事はなにを言いたいんだろう……と感じたのだったけれど,
まぁ,社としてのもともとの考え方があるだろうな,とは思う.

それで,この記事のいいたいことは,
勝手にまとめれば,第2次大戦後の社会,経済などの状況はおおきく変化しているのに,
憲法の規定は,なんら変わっていない,
世界を見渡せば,新たな課題などに託すべく憲法に手を加えてきているではないか,
ということなんだろう.

それでも,なぜいつもこれほどもめるのか……,というと,
結局,政権与党の憲法改正の焦点が,そうしたところにないからじゃないのか?
合計制がむずかしいと判断すれば,それは後回しにして,たとえば女性の社会進出を前提とした社会的,経済的あるいは政治的問題への対応,
記事でいえばクオーター制の導入問題とか,そんなところをきちんと議論していけばいいじゃないか,と思うのだけれど,
さて,政権与党はどう対応してきたか.
あるいは,これは野党の力不足というかもしれないけれど,
たとえば憲法は変えないけれど,憲法解釈をかってにいじっていこう,というような政権与党や,法曹の,たんてきには最高裁判所の,ということかもしれないけれど,そのようなやり方の問題が,ずっと改憲論議に影を投げかけてきたのではないか,と思う.
まぁ,野党の側が,ひたすら護憲しかいわない,ということの問題もあるんだろうな,とも思う.
よりリベラルな側からの改憲論議だったあるんじゃないか,とか.
ふつうに考えれば,変えたがらない「右」あるいは保守,変えたい「左」あるいはリベラル?というのがふつうに見られる図式なんだろうが,
さて,この問題については,と思いはする.

それで,【日経】の編集方針なんだろうけれど,
この記事,なにを主張しているんだろうな.

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世界の憲法、項目多様に
子どもの権利・クオータ制・環境権 日本は施行77年、改正なく
2024/5/3付日本経済新聞 朝刊

日本国憲法は3日、1947年の施行から77年を迎えた。これまで一度も改正に至っていない。国際社会でどんなテーマが改正されてきたか。日本で議論の対象にあがる(1)子どもの権利(2)議会のクオータ制(3)環境権――の3つに着目した。

東大のケネス・盛・マッケルウェイン教授(比較政治学)が、米国の法学者や政治学者らの研究グループ「比較憲法プロジェクト」のデータベースを基に分析した。

2014年に憲法改正で子どもの権利を打ち出したのがノルウェーだ。これまでも国内法で権利を保障してきたが、子どもの主張が聞き入れられる権利や子どもの最善の利益など具体的に憲法に位置づけた。

20年時点で「子どもの権利」を憲法に明記した国は48.3%で、政府による子どもや孤児への財政的支援を書き込んだ国の割合も5割を超える。日本は子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」が23年4月に発足し「こどもまんなか社会」の実現をめざす。

日本は女性議員を増やす取り組みが十分といえない。23年9月の岸田文雄政権の内閣改造では副大臣と政務官に女性がゼロだったことが批判された。世界では憲法への女性クオータ制の規定率が00年時点の3.8%から20年は10%に上がった。

台湾は立法院選挙で比例代表の50%を女性に割り当てると05年の憲法改正で明記した。改憲前の04年に2割ほどだった女性比率は24年に4割超にまで伸びた。

「環境権」は日本で合意形成がしやすいテーマとしてたびたび候補にあがる。公明党は「加権」の立場から環境権の明記を唱え、自民党も野党時代の12年にまとめた改憲草案で「国による環境保全の責務」を書き込んだ。世界のおよそ8割の憲法で20年時点、環境権への言及があった。

マッケルウェイン氏によると、国際的に改憲の頻度は高まる傾向だという。「憲法に細かく義務や権利を規定する国ほど、国が負うべき義務や国民の権利の幅の広がり、社会変化にあわせて、さらなる対応を迫られるからではないか」とみる。


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