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停戦に向け 日本は行動を 和田春樹・石破茂・三牧聖子

2023年08月30日(水)

「相手」を知ることと 「相手」と手を握ることは まったく違うことだとは思う
いつごろだったろうか 「相手」と話をしていると 
おまえは「相手」の仲間になったか
というようなことをいわれたことがあったかな
あるいは ぼくじしんがそんなことをいわなかったかな
ちょっと振り返ってみる

戦いは 始めることは易いけれど
終わらせることがむずかしいというふうに よく耳にする
じっさい近現代史でも そういう印象はある

列島の国は だから無条件に降伏するしかなかった
まぁ それでも本土決戦にいたらなかっただけ さいわいであったか
ソ連邦に仲介をたのむ とか そんな話もあったのだと聞くけれど
そのソ連邦は アメリカからの軍事援助で戦っていたとも言われる
気がついたときには 北方から攻め込まれていたわけだ
日ソの約束を破ったとよくいわれるようだけれど じっさいのところ どうだったろうか

遠いユーラシアの 黒い大地の戦争は いろいろいわれながらなお続いている
それが当事者たちの計算のうちだったか あるいは想定外か 知らないけれど
この戦いを終わらせるために なにが必要か 知らない

列島の国のリーダーは おしゃもじをまじないのように持参したらしいが
おもしろい投稿があった
おしゃもじで勝てるものならば ヒロシマカーブは連戦連勝だ と

多少は独立国なりの矜恃はないのか
そんなふうに思うこともある
まるでどこかの大国の忠実な僕のように,
しかし かの国は 片方で 経済制裁だなんだと言いつのりながら
他方で 政権幹部を送り込んで会談をこなしているようだし
著名な企業経営者らが 制裁のことなど知らぬげであるかのようだ

殺傷武器まで輸出しよう と言いだして 現在の状況を踏まえれば その輸出は 戦争当事国の片方への支援にほからなくなるのではないか と思うが
いや もっとしたたかに当事国の双方にそれなりの武器の売り込みするなんて伎倆 伎倆というよりは無節操かもしれないけれど どうも此の邦にはどんな度量はなく
大きな国の忠実はしもべとして商売をするんだろう

この国は いろいろいわれても武器を持って他国へ出て行かない としてきたのに
だからこそ いろいろいっても この国は 戦いに加わらない 利害の枠の外にいると思われていただろうに
それが 列島の国の 平和のイメージをつくっていただろうに
それをかなぐり捨ててしまおうというのだろうか

ときどきベルサイユ講和会議におけるケインズ あの経済学者のケインズを思い出す
第2次大戦終結時にも それなりの活動をしていたのだろうけれど
あまり報われることなく 亡くなってしまった
けれど 諸国間の実情をしっかり見ていこう 実行可能で できるだけ禍根を残さない終結を考えようということだったように思う

ただ 戦勝諸国が敗戦諸国をなぶりものにするような終結 そういう印象もある 
列島の国は 幸か不幸か 大国同士の対立の狭間に立つことになって 大国の僕となる代わりに 厳しい制裁を回避した……ともいえそうだ

しかし ユーラシア大陸に黒い大地の戦争は さてどんなふうに集結させられるんだろう…… 

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【AERA】2023年02月27日


停戦に向け
日本は行動を
ウクライナ戦争の停戦を実現するための方法
2月24日で1年となるウクライナ戦争は犠牲者が増え続けている。
どうすれば戦争を止めることができるのか。日本は何をするべきなのか。
ロシアや米国、軍事にそれぞれ詳しい識者に聞いた。
構成 編集部 古田真梨子


和田春樹さん 東京大学名誉教授
中国とインドを仲立ちし
停戦交渉の協力国に

 ロシアがウクライナに侵攻したという第1報は、大きな衝撃でした。けれど、わずか4日後に停戦交渉が行われたことから、双方に話し合いに応じる姿勢を感じました。朝鮮戦争では停戦会談が始まるまでに約1年かかっていますから.異例の早さでした。
 私も停戦へのメッセージを出そうと、昨年3月15日、ロシア史研究者13人とともに「ウクライナ戦争を1日でも早く止めるために日本政府は佃をなすべきか」と題する声明をオンラインで発表しました。「即時停戦し、停戦交渉を正式にはじめよ」という内容です。
 その約1週間後にはロシア大使館を訪ね、書記官らがずらっと並ぶ中、ガルージン駐日大使(当時)と会うことができました。「兄弟殺し」の戦争を即時惇戦すべきであること、ロシアが提示している停戦条件にある「ウクライナの非武装化」にこだわらないことなどを求めました。ガルーシン氏は.こう言いました。
 「日本は米国と戦争したではないか。最終的には原爆を落とされたけれど、今は親しい関係ではないか」
 あぜんとしましたが、これは苦しい防戦だったと思います。
 我々の声明には「ロシアの侵攻によって戦争が始まった」と書いてあります」
 「それは違う。2014年から始まっている」
とガルージン氏は明言しました。これはウクライナ軍と同国東都(ドネツク、ルハンスク両州)の親ロシア分離派勢力との戦闘から続く一連の流れを指しています。戦闘の停戦を目指し、14年と15年に「ミンスク合意」が結ばれましたが、ウクライナ側が履行しなかったという流れをロシア側は非常に重く見ていることがよくわかりました。
 とはいえ、まずは停戦です。朝鮮戦争の時には,停戦会談が開戦1年後に始まりました。これを提案したのは米国でした。今回、米国は武噐を援助してウクライナに戦わせてロシアを弱めたいという思惑があるようです。
 昨年1l月、ウクライナと国境を接するポーランドにミサイルが着弾し、2人が死亡する事件があったとき、「ロシア発だ」と主張するウクライナのゼレンスキー大統領に対し、米国のバイデン大統領は早々に「ウクライナ発」である可能性に言及しました。米国が今回の戦争において、ウクライナの抗戦論の支持をやめ、即時停戦に動くことがありえます。米国とウクライナが対立する事態となるかもしれません。そうなると大変です。誰もがここまで戦争が長期化するとは予想していなかったでしょう。ゼレンスキー大統領は日を迫うごとに固い姿勢になり、国民の団結を背景に停戦交渉のテープルにつくのが難しくなっているのではないでしょうか。
 今、停戦のために働くにふさわしい国は日本だと思います。中国とインドは立場が違いますが、この2ヵ国を日本が仲立ちして停戦交渉の仲裁国としてはどうでしょうか。この考え方は専門家の方々には大不評ですが、アジアの大国が仲裁する以外に道がありません。私は第2次世界大戦の終戦の時、小学校2年生でした。空を飛ぶ美しい米爆撃機B29を見た世代です。静岡県の実家で空襲に遣い、防空壕で耐え抜きました。あの経験から言えることは、戦争は一日も早くやめなければならないということです。広島、長崎への原爆投下は私たちの町に空襲があった1ヵ月後のことでした。敗戦して憲法9条を獲得した日本こそ、世界を救う国にならなければなりません。


石破茂さん 元・防衛相籍
ロシアにも影響力がある国
まず中国と日本は議論を

 国連はこの1年の間、いったい何をしたのでしょうか。「安全保障理事会の常任理事国であるロシアが戦争の当事国だから、何もできない」というところで思考停止しているように感じます。そんな場合でないことは明らかです。
 こうしている間にも、人命はどんどん失われています。
1956年のスエズ動乱の当事国は、常任理事国の英国とフランスでした。エジプトのナセル大統領(当時)がスエズ運河の国有化を突如宣言。運河で利益を得ていた英国が怒り、フランス、イスラエルとともにエジプトに侵攻しました。しかし、国述は停載監視団を派遣し、終結させました。国連がきちんと機能した好事例です。今回はそんな動きが全く見えません。
 戦局の長期化により、米国内には「なぜ直接の利害関係がない国に多大な戦費を使った支援を続けるのか」という声が上がり始めています。ウクライナにとっては、非常に気の毒な展開だと思います。
 今回の戦争は100%ロシアに非があります。ロシアの主張は山ほどあるでしょうけれど,いかなる場合も力で国を併合することは許されません。
 一方で、ウクライナの完全勝利を目指しているうちは、戦闘が終わることはないでしょう。特にロシアは最終手段として核兵器を保有する国です。この恐ろしさを、我々はもっと認識しなければなりません。戦争を終わらせるために難しくなるのは、ロシアの顔の立て方です。だからこそ、国連が機能しなければならないのです。
 今、日本は安保理の非常任理事国として、5月に広島であるG7サミット(主要7力国首脳会縫)の議長国として行動を起こすべきだと考えています。
 キーポイントとなるのは中国でしょう。ウクライナと軍事技術の面で連携があり、ロシアにも影響力を持っています。つまり、今回の戦局において一番「モノが言いやすい国」と考えられます。中国に花を持たせることになるかもしれませんが、日本はまず中国と、停戦に向かうための方策を議論すべきではないでしょうか。対話ができる関係性の構築は難しい課題ですが、「日本はG7の一員だ」と叫ぶだけでは埒があきません。
 日本にとってはお金の問題もあります。90~91年の湾岸戦争の時に日本は増税までして90億ドルを支出しましたが、軍事的支援(武器弾薬、燃料など)をしなかったため「日本は何もしていない」と海外から批判されました。
 さらに、90億ドルが何に使われたのかは今もあまり知られていません。クウェートの復興に使われたのか、米国の戦費に使われたのか、国会でもほとんど議諭がありませんでした。
 今回もH本はウクライナに軍事的な文援は全くしていません。いつものやり方です。そうすると,武器も弾薬も渡さなかったからと請求書が日本に回ってくる可能性はあるでしょう。
 それも含めて、次に考えなければならないのはウクライナの復興支援についてです。湾岸戦争の時は日本にはバブル経済の名残があり、経済状況はそれほど悪化していませんでした。今、同じことが起きたら対応できるのでしょうか。
 政府は昨年12月、国家安全保障戦略(NSS)など安保関連3文書を閣議決定しました。2023年度から5年聞の防衛費を現行計画の1・5倍以上となる43兆円にすることなどを盛り込み、増税も予定されています。ウクライナ支援に対する日本のあり方についても、早急に議論を始める必要があります。


三牧聖子さん 同志社大学大学准教授
ウクライナ支援の世論に暗雲
岸田文雄首相の外交努力に注目

 開戦から1年。ウクライナを支えてきたのは欧米や西側諸国からの支援です。なかでも突出しているのは米国で、昨年末までに全体の4割にあたる約480億ユーロ(約6兆9干億円)を支出しています。
 バイデン米大統領は2月7日の一般教書演説で「(米国が)NATO(北大西洋条約機構)を結束させ,世界的な連携を構築した」と主導的な役割を強調しました。
 ですが.今後については「これからも支援する」という抽象的な言葉にとどまりました。米領空内に飛来した中国の気球を米軍が撃墜した直後だったせいもありますが、ウクライナへの言及はわずかなものでした。そこに米国内の世論のほころびが透けて見えます。
 1月末の米国の世論調査によると、国民全体で「ウクライナに資金と武器の支援をすべきだ」と答えた人は6劉を超えています。しかし、支持政党別でみると、民主党支持者は8割が支援を「続けるべきだ」と同答した一方で、共和党支持者と無党派層はそれぞれ5割にとどまり、実に3割の開きがありました。さらに現在の米国のウクライナ支援が適正かどうかについては共和党支持者の5割が「やりすぎている」と回答しています。現在、米国では食糧とエネルギー危機が進行しています。インフレも深刻です。この状態が続けば、ウクライナ支援を批判する声は共和党支持者を中心に大きくなると考えられます。咋秋の中間選挙では、下院で野党の共和党が過半数を獲得。盤石とはいえないバイデン政権において、その声は無視できないものになるでしょう。
 ここまで長期化するという覚悟のなかった戦争を前にした「支援疲れ」は、欧州諸国にも広がっていると思われます。その声が大きくなった時、ウクライナが望まない形での停戦、つまり領土の一部をロシアが占領している状況であっても戦争を終わらせる道を模索する動きが生まれることは、大いにあり得ると思います。
 ウクライナは欧米各国にさらなる兵噐の提供を要請しています。英国からは近く戦闘機が送られるとみられますが、訓練には数カ月かかります。すぐに戦況を変化させることができるものではなく、戦局がどう決着するのか、ますますわからなくなっているのが現状です。
 昨年末、ウクライナのゼレンスキー大統領は米議会で演説し、「あなた方のお金はチャリティーではない。世界の安全と民主主義に対する投資です」というメッセージを発しました。ただ、その意識を米国民はもちろん、その他世界の国々が持つことができるのか。ウクライナ支援一色だった世界の世論に暗雲が立ち込めています。
 ロシアのウクライナ侵攻は許されないことである、という点で世界は一致しています。国連もこの1年間、国際社会の意思として、力による現状変更は認められないことを示してきました。その点において国連は無力ではなかったと思いますが、事態を打開するには至っていません。
 5月に広島で開催されるG7サミット主要7力国首脳会議)の講長国は日本です。岸田文雄首相は「日本はアジアで唯一のG7の国。被爆国と核保有国、欧米とグローバルサウス諸国をつなぐ架け僑です」というキーワードをよく口にします。具体的に何をするのでしょうか。ウクライナ問題で日本は復興支援に大きな役割を果たしているとは思いますが、今後どういう外交努力をするのか非常に注目しています。

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