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「劣化ウラン弾」

2023年04月20日(木)

ウクライナの戦争が.どこまで行くのか,わからない.
当事者が倒れるまで……だろうか?

イギリスが劣化ウラン弾をウクライナに供与する、というニュースがあった.
湾岸戦争を思い出す.
湾岸戦争後,じっさいに劣化ウラン弾が使用された地域の、土壌などの汚染が指摘されていた.
今回と同じような見解も示されたが,そうではない,との議論,それなりの根拠のある議論があったように記憶する.

現地を取材したレポートを、さいきん,見ない.

ウクライナにさまざまな武器が供与され,
まるで兵器の実験場のようではないのか……とも思った.
あるいは,一種の代理戦争.

何百年か後,人びとはどのようにこの戦争を振り返るのだろうか……,
そう,歴史に学ぶ、ってどんなことをいうんだったろうか.


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劣化ウラン弾、過去に日本でも ロシアの批判は「どの口が言うのか」
ウクライナ情勢

牧野愛博2023年3月25日 17時00分

[写真]2001年1月、北大西洋条約機構(NATO)の空爆で破壊された旧ユーゴスラビア軍の戦車の近くで遊ぶ子ども。若い兵士にがんが見つかったとの報告が相次ぎ、懸念が高まった。米軍は大量の劣化ウラン弾を使った=ロイター

 ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、英国がウクライナへの提供を明らかにした劣化ウラン弾は、戦車などの装甲板を貫通させる徹甲弾などに使われる。過去の戦闘で用いられた際、健康被害との関連を疑われてきた兵器だが、実は日本でも使われたことがあった。

 ウランを濃縮する時の副産物である劣化ウランは、硬くて重いため、弾芯に使うことで破壊力が高まる。核分裂しやすいウラン235の濃度は低いが、わずかながら放射能を帯びている。自衛隊は安全などを考慮し、希少金属のタングステンを使っている。

 米軍は1991年の湾岸戦争などで劣化ウラン弾を使った。当時、健康被害を訴えた米軍兵士がいたが、米大統領の諮問機関、湾岸戦争復員軍人疾病諮問委員会は1997年1月、「復員軍人の病気の原因が、劣化ウランにさらされたためだとは考えにくい」という最終報告書を提出した。

イラク派遣、線量計を持ち込んだ陸上自衛隊

 陸上自衛隊の第3次イラク復興支援群長として2004年8月から12月までイラク・サマワに派遣された松村五郎・元東北方面総監は「残存する劣化ウラン弾汚染による被害の可能性も考慮し、(放射線の線量を測定する)線量計を持参した」と語る。

 派遣部隊の調査では、破壊された建物などで、通常より高い線量が測定された。日本における許容被曝(ひばく)線量よりも低い数値だったが、念のために、こうした地域を避けて活動したという。

 また、米海兵隊岩国基地所属の垂直離着陸攻撃機が1995年末から96年初めにかけて、沖縄本島西約百キロの鳥島射爆撃場で訓練中、同射爆撃場での使用が禁じられている劣化ウランを含む徹甲焼夷(しょうい)弾計千五百二十発を誤って発射していたことが97年2月に明らかになった。米政府は当時、「劣化ウランは、摂取されない限り健康への危険はない」と説明する一方、反発する日本側に対し、「深い遺憾の意」を表明した。

 外務省の元幹部は「当時は、沖縄少女暴行事件(95年9月)の影響が残るなか、米軍や日本政府の沖縄に対する姿勢を非難する事件として取り上げられていた」と語る。同時に「劣化ウラン弾は核兵器とは全くの別物だ。(日本でもある程度理解されたため、)日本人の核アレルギーの観点から劣化ウランの安全性について反発を呼んだ度合いは、それほど大きくなかったのではないか」と指摘する。

ロシア軍撃破の成果と巻き添え被害を考え合わせ、使用の是非を判断か

 今後のウクライナ軍の劣化ウラン弾の使用について、松村氏は「飛び散った劣化ウランの粉じんを吸い込み、経度の内部被曝を起こす可能性はある。劣化ウラン弾を使ってロシア軍を撃破することで得られる成果と、それに伴う巻き添え被害を踏まえて、使用の是非を判断するのではないか」と語る。

 同時に、松村氏は「ロシアは湾岸戦争でもイラク戦争でも、劣化ウラン弾の危険性を指摘していない。ウランという言葉を使い、世界に(英国やウクライナの)悪印象を振りまく印象操作をしている」と指摘する。

 外務省の元幹部も「核使用をほのめかしたり、ザポリージャ原発を攻撃したりしているロシアが、劣化ウラン弾について核と絡めて反発しているのは、ある意味滑稽であり、どの口が言うのかと思う」と語った。(牧野愛博)
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