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<考論>手放しのイスラエル擁護、腑に落ちず 鈴木一人・東京大教授/すこし振り返ってみようと思うが 

2024年04月18日(木)

あるいは,自分に都合のよさそうな情報を探している……のかもしれない,
などといわれるかもしれないけれど,
ロシア-ウクライナの戦争で,ロシアを一方的に「悪者」に見たてる報道ばかりが目立つように見える.

いつだったか,モンゴルの歴史の概説でもと思って,たぶん杉山正明さんの文庫本を読んでいた.
そのとき,キエフ公国やモスクワ公国の話が出てきた.

戦争が始まったころだったか,NHKからロシアの歴史の入門が出ていた.
面白かった,というか,ちょっと物足りなくはあったけれど,でも学校の歴史教育には,あまり登場しない分野で,面白かった.
メディアをにぎわすウクライナ-ロシアについて,もうすこしいろいろ知るべきことがあるんだろうなと思われた.

それから,戦争が始まってからまったくといっていいほど主要メディアに登場しないアゾフ連隊だとかいった民間軍事組織のことが気になった.
アゾフ連隊だけではないようだが,ウクライナの民間軍事組織は,国の正規の軍隊に編入されている.
彼らを,主要メディアは,ナチの生まれ変わりのように報じていたはずだ.じっさい彼らは,ナチの鍵十字などを自らの紋章に用いていたのだから.

そういえばソ連邦を崩壊?に導いたゴルバチョフの妻は、ウクライナの出身ということではなかったか.当時の外務大臣も、同様にウクライナの出身だったか,ちょっとあやふやの記憶だけれど.

メディアは,戦端が開かれてか,キエフをキーウと表記するようになった.
グルジアがジョージアの呼ばれるようになったのを思い出すが,
さて,では,半島の国の都市名をなんとよんでいるだろうか、大陸の国の地名をなんと呼んでいるだろうか,とちょっと嫌な気分にさせられた.

ロシアの国内情勢についての報道もまた,
同様にウクライナの国内情勢についての報道もまた,
いまひとつ腑に落ちない.
列島の国の15年戦争にいたるプロセスを思いながら,もうすこし丁寧にフォローする必要がありそうに思われた.

そんな時に,イスラエルにおけるガザでの戦闘が蓋を開けてしまった.

本棚に見あたらず、図書館に行って本を一冊借りてきた.
「トーラーの名において」
出版されたときに、本棚に収めたようにも思ったけれど,見あたらなかった.
ちゃんとは読んでないし、いまもってよく理解できていないが.
シオニズムとユダヤ教,そしてイスラエル.
あるいは国家と宗教,民族,なかなかやっかいな問題らしいな,とは思った.
イスラエルの建国は、たしかに第2次大戦後のことだろうけれど,建国に至る相応の長い歴史があった.
自分の無知を知ることになるけれど,シオニズム,ユダヤ教,あるいはユダヤ人……どんなつながりがあり,どんな違いがあるか…….
イスラムについては,さらに.
せいぜいアラビアのロレンスか,と情けなくなる.いや,イギリスって,酷いに国だな,と思うが,もうすこし丁寧にみておく必要があるんだろう.

そういえば,ビルマもまた,イギリスの植民地だったな,と思う.

それで,ハマスによるテロ行為があって,これにイスラエルが反撃を加えたとき,
この国のメディはどんなふうに報じたのだったか.
そして,「X」などに流れる情報によれば,早い段階でこの戦闘に反対するユダヤ教徒の直接行動がみられていた.
で,列島の国ではどうだったか,と思い返してみる.
これもまた,ぼくじしんの不勉強を免れないけれど.

そして,今回,イランがイスラエルに直接攻撃を加えたという.
いうまでもないが,これはイスラエルがシリアにあるイランの外交施設を爆撃したことに対する報復ということだった.
イスラエルは,それは外交施設ではなく、軍事施設だと主張しているのだったか.

もうひとつ,イランは、もともとは親米国家だった.
1979年のイラン革命で,王政が廃される.なぜ,革命が可能だったのだろうか?
当時,学生らがアメリカ大使館に残された大量の文書の残骸,シュレッダーにかけられた文書を復元したとか、そんな報道もあった.その内容がどんなものであったか覚えていないけれど.

そういえば戦前,右翼の大立て者のひとり,大川周明には,コーランの翻訳がなかったか.
彼らにとって,イスラムは,アジアの一員という認識があったんだろう.
いま,そんな声をほとんど聞かないが.

そう,まるでイランが一方的にイスラエルを攻撃したかのような報道ばかりが目立つ.
昔,イスラエルは,他国の主権を無視してナチ残党刈りをしていたのではなかったか.
もちろんナチ残党を、野放しをするような国のやり方に正当性があるか,疑問があるけれど.

まとまらないけれど,
たぶんまとめられないのだけれど,どなたか専門家,知識ある人たちが,もうすこしさいきんの得体の知れないことがらのバックグラウンドをあきらめてくれるとよいのだ.

イラン-イスラエルの問題について,ひたすらイラン制裁の議論ばかりが目立つけれど,
少し冷静な論もみられないわけではないのだろう.

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 ■<考論>手放しのイスラエル擁護、腑に落ちず 鈴木一人・東京大教授

 イランのイスラエルに対する攻撃の引き金は、シリアにあるイランの大使館が攻撃されたことだ。イスラエルによると見られるが、ウィーン条約で守られる在外公館を攻撃したことは大きな問題だ。ところがこの時、先進7カ国(G7)が非難することはなかった。

 イランは国連憲章51条に基づく自衛権の発動だとしている。大使館への攻撃は、自国の領土への攻撃と同じだとの主張だ。一方のイスラエルは、大使館ではなく、革命防衛隊が使用する「軍事施設」だと主張。自国周辺で軍事作戦を指揮する革命防衛隊は安全保障上の脅威だとして攻撃を正当化している。

 だが、イスラエルの主張を取るなら、国際法など関係なく、どこを攻撃してもいいということになる。G7が手放しでイスラエルを擁護するのは腑(ふ)に落ちない。

 日本も今回、イランを非難する声明を出した。G7に足並みをそろえたのだろうが、日本はイランと伝統的に友好関係にあるので、働きかけを果たせるのではないか。(聞き手・星井麻紀)
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