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(序破急)コロナにまぎれ広がる梅毒/感染症のこと,すこし

2023年06月30日(金)


感染症の話を見聞きしたのは,いつごろだったか.
たぶん1990年前後,仕事の関係もあっただろうか,
あるいは,新興・再興感染症に関する読み物を読んだのだったか,
ちょっとあやふやだけれど,その後,多少のかかわりある仕事をしていたころ,
結核がしつこく感染者を維持していることを知った.

そういえばさっき,NHKBS1で,世界のドキュメンタリーをやっていた,
ME/CFS(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)
なる「病気」についてのドイツのドキュメンタリー.

いくつか思ったことがあった.
学校で保健体育の授業って,なにを教えていたんだったか.
後から振り返って,もうすこし健康と病気について考えることが必要だったな,と思う.いまでも.
そして,たとえばこんど,感染症についての国の「司令塔」をつくるとか,日本版CDCをつくるとか,政治家の人たちが吹聴しているけれど,はて,さて…….
むかし,地元の大学の医学部で,公衆衛生学と衛生学の講座が統合された.
なんとなく名前が似ているからなぁ……なんて,冗談.
感染症はどこで教えていたんだったか.
あるいは,保健所に感染症を専門とする医師などいただろうか…….
人材をどのように集めてくるんだろうか,いや,そもそもどれくらいの人材がいて,まだ育てられているんだろうか,と.
そして,当然ながら,教育のために,調査・研究のために,またそのための組織のために,どれほどの資金が用意されているんだろう……と.
脱線するけれど,原発の存続に賛成するにしても,反対するにしても,さて,いまどの程度の学生が原発のかかわる教育を受けているんだろうと,ちょっと不安になる.
そう感染症なども,そうした不安の大きな課題のひとつ.

さっきのドキュメンタリーでも,治療のために,またそのための研究,調査のために投ぜられる資金のあまりの少なさに言及するシーンがあった.


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(序破急)コロナにまぎれ広がる梅毒 科学・医療社説担当、行方史郎
2022年12月25日 5時00分

 新型コロナの流行にまぎれて勢力を拡大させた病原体がある。梅毒だ。

 国立感染症研究所の集計によれば、今年報告された患者は1万人を超え、現在の方法になった1999年以来で最多となった。2010年代に入って増加に転じ、19年に微減した後、コロナの流行で社会活動が制限された20年に5千人台に減ったが、21年、22年と一気に増えた。

 やっかいなことに、自覚に乏しいまま他人に感染させることがあり、皮膚や粘膜の症状がいったん消え、治ったと勘違いもする。試験管内では培養できないため実験もままならない。

 コロナの流行前は急増する外国人観光客と関連づけた「インバウンド主犯説」を聞いた。しかしながら外国人観光客が途絶えたコロナ禍の期間にも増え、国内にも流行の要因があることが図らずもあぶり出された。性風俗産業のサービスの変化、マッチングアプリで見知らぬ者同士がいとも簡単に性的関係を結べるようになったことが一因との報道もある。

 梅毒は15世紀末、コロンブスの航海によって中南米あたりから欧州にもたらされ、その子孫が現在にも受け継がれていると考えられる。感染症の歴史に詳しい日本大学医学部の早川智教授によれば、ゲノム解析で裏付けられているという。

 日本では、種子島への鉄砲伝来に約30年さかのぼる1512年に患者の記録が残っているそうだ。欧州への伝播(でんぱ)から20年も経たずして日本に到達している。性の本能にうまく取り入ったしたたかさに恐れ入る。

 だが、戦後まもなく20万人超あった患者の届け出は60年代に1万人を下回る。抗菌薬の普及に加え、予防に有効なコンドームが身近な存在になったこともあり、「過去の病気」とみられたこともあったが、その後の展開は前述の通りだ。

 世界保健機関(WHO)のデータによれば、梅毒は21世紀に入って世界的に増えている。一部の抗菌薬への耐性株が出現していることに加え、中東や東欧での不安定な政情が背景にあるというのが早川教授の見立てだ。「戦争や動乱は性感染症が広がる大きなファクターです」

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