SSブログ

<卓上四季>愛国者

2023年07月07日(金)

そんなこともあったな,と思い出す.
小さなバリケードをつくって,立てこもった,というより,校門の飾りみたいだったか.
学生服の小柄な男性に呼び止められて,「○○はいるか」と聞かれた.
えっ,それ俺のことだな,と思い,ちょっと怪しそうだな,と思い,
それで,「いま,どこにいるか知らない」とでも答えたのだったか,
そうしたら,ひとりで校庭に入っていった.
ちょっと怖い,というか,背筋に一筋小さな汗が流れるような感じだったか.
ちょっと経って校庭に行った.
人の輪ができていて,そのなかで学生服の男性がいて,友人と話していた.
どんなやりとりをしていたか,覚えていない.
しばらくして,おとなしく帰って行ったのだろうか.
友人に聞くと,彼が持っていたのは,ノコギリだったという.
……あれで切りつけられると,傷口が面倒くさくて,たいへんなんだよ,
などと教えてもらった.

鈴木さんのお話とはまったく関係がないか.
いや,この小柄な学生服もまた,「愛国者」だったのだろうか.
じゃ,僕の友だちは,「反・愛国者」だったろうか.

レッテルを貼るのはやめよう……ということだったかもしれない.

そういえば,唐牛健太郎さんは北海道の産,
そしてん,西部邁さんも北海道の産だった,
だから? というわけでもないけれど.

―――――――――――――――――――――――――

<卓上四季>愛国者
【北海道新聞】2023年1月31日 05:00

忌野清志郎さんのパンク風「君が代」が物議を醸した時、評価したのが先日亡くなった民族派団体一水会の元代表鈴木邦男さんであった。国の愛し方は一つではない。むしろ上から強制して一つの型にはめる方が危ういというわけだ▼君が代のメロディーには五つの試案があった。中には賛美歌風のものもあった。君が代や日の丸がなくても国は愛せる。戦渦の血で汚されたうしろめたさを持っているくらいの方がちょうどいいと、音楽家坂本龍一さんとの対談で話していた▼血気盛んなころには抗議行動で逮捕されたこともあったが、筋を通す憂国の志だった。だから、国土を破壊する原発に反対し、人権の観点から慰安婦問題を論じた。むやみに敵対心をあおり、やたらと武力を信奉するまがいものとは対極にあった▼賛否が割れる法案が次々と成立する中で懸念したのが米国への隷属を強める国の行方だ。対米協力の軍事力を増大させ、いつか米国のための改憲に突き進むのではないか。その懸念は現実のものになりつつある▼「真に国を愛するということが、たとえ最後の一人になっても勇気をもって真実を語り、理想を述べることにあると信じる点では私たちは完全に一致している」。東日本大震災後、脱原発集会で鈴木さんに出会った坂本さんの言葉だ▼この国はどこへ流れていくのか。「愛国心」があふれる社会に一層募る不安である。2023・1・31
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。