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(取材考記)ジョブ型雇用 「定年不要」も、日立の本気度 沢路毅彦



担当する仕事の関係もあって、しばらく,たとえば楠田丘さんの本などを読んでいた.
あるいは,その前に藤田忠さんだったか,
職務分析の本などだった,
どんなものなんだろう,とか.

それで,いまごとになってジョブ型とか,ヘンな言葉だな,と当時の記憶がよみがえる.

job?
職務記述書,という言葉を聞いた.
job description…….
職務記述書に従って雇用されるスタッフについては,基本的に人事評価はない……だったかな,
つまり,できたか,できないか,
できなければ,首!

で,たとえば企画とか,研究とか,どこまでその仕事を記述できるか?

あるいは,雇用の入口の,ある種の差別化(discrimination)?

そういえば,全世紀の終わり頃か,成果主義とかいわれたな,
それで,それはいまどうなっているんだろう?

なんだかみんな卒業してきたんじゃなかったのか,と思うような最近,
ずいぶんむかしに返ってしまっているようにも見える.

ひとつ,勤め人がどんなにがんばっても,
売れない商品,売れないサービスでは,生産性は上がらないのだな,とか.
どんな商品,どんなサービスを生産するか,展開するか,
勤め人のお尻を押している、叩いている人たちの能力の問題じゃないのか,とか.

まぁ,じゃ,儲かればいいのか,と言い返されそうではあるけれど.


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(取材考記)ジョブ型雇用 「定年不要」も、日立の本気度 沢路毅彦
2022年9月22日 16時30分

[写真]元日立製作所社長の故・中西宏明氏

 某経済紙を中心とする「ジョブ型雇用」報道を冷ややかに眺めていた。

 「ジョブ型」は「仕事に人を割り当てる」考え方。賃金も仕事によって決まる。一方、日本型雇用は「メンバーシップ型」と言われる。「人に仕事を割り当てる」考え方だ。

 どちらが優れているというわけではなく、一長一短がある。ジョブ型に変えていくには、人事制度だけでなく、教育システムや社会保障など雇用慣行以外も考えた、社会全体の見直しが必要になる。「ジョブ型にする」とアピールする企業が、どこまで深く考えているのか、疑問だった。“ジョブ型導入”と報道された企業を取材し、「自分たちではジョブ型と表現していない」と言われて、拍子抜けしたこともある。

 唯一、真剣さが感じられたのが日立製作所。そこで、8~9月に連載した「資本主義NEXT 日本型雇用を超えて」で取材することにした。

 日立がジョブ型の検討を始めたのは10年ほど前。社長に就任した故・中西宏明氏が号令をかけた。そしていまだに完成していないという。それぐらい長期的な取り組みということだ。

 ジョブ型雇用を広げるには、自社だけでは無理だ。2018年5月に経団連会長になった中西氏は、経団連内の議論をリードし、日立以外にもジョブ型を広げることにこだわった。

 日本型雇用は「入り口」と「出口」に特徴がある。「入り口」は新卒一括採用。「出口」は定年。ここに手をつける覚悟はあるのか。

 中西氏は同年9月の記者会見で、新卒一括採用への違和感を表明している。事前に経団連内で合意されていたわけではなく、会見場で発言を聞いた関係者は仰天したという。

 出口はどうか。定年は年齢だけを理由にした「解雇」だ。日立の資料に「エイジフリー」とあった。「年齢は関係ない」ということになる。

 本当にジョブ型にするならば、定年制は企業にとって不合理だ。賃金は変わらないのだから、きちんと仕事をしている限り、働き続けてもらった方が訓練コストがかからないからだ。

 「ジョブ型になれば、理屈上は定年の必要がなくなるはずだ」。日立の人事部門トップ、中畑英信専務にそう尋ねた。「そこまでイメージしている」。答えは明快だった。

 意外に、といっては失礼かも知れないが、日立の本気度を感じた。

 (編集委員)

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