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光熱費高騰、苦境の博物館 文化財、24時間の温湿度管理が必要 文科相「各館の経営努力で」

2023年02月13日(月)


さいきん,こんな新聞記事があった――
光熱費高騰、苦境の博物館 文化財、24時間の温湿度管理が必要 文科相「各館の経営努力で」
(朝日 2023-02-06)

国がどうかよく分からないけれど,多くの自治体で,
施設を整備するところまでは,当局も,あるいは地元も,とても熱心だけれど,
つくってしまうと,その他大勢の一つに繰りこまれて,あまり見向きされなくなりがちだ.
いや,ちょっと皮肉すぎるとは思う.
博物館の資料は,生きている.生きている,というのは,現に所蔵されている資料だけでなく,
地域に埋もれている,あるいは日々生成されている資料,あるいは資料予備軍があるとい言うことだし,
図書館など,毎年万余の本が印刷され,さらに雑誌や新聞,あるいはさまざまな資料が生み出されているし,さいきんではインターネットを通じて多様な,大量の情報が生み出されいるけれど,それらは黙っていては入手するのもむずかしく,あるいは保存することができない.
けれど,日々の運営に要するコストについて,当局がしんけんに考えているのか,不安になる.

先月分の電気・ガス料金をみて,ちょっと考えてしまったのだったけれど,
公共施設など,たいへんなんだろうな……と思った.
利用時間の拡大など,それなりの努力を払ってきたんだろうし,
(たとえば公共図書館や公民館などの利用時間を延ばすなど)
民間施設でも同じだけど,利用者の有無,多寡にかかわらず,開館時間中,冷暖房などを止めるわけにはいかないだろう.


いや,この国の公共の施策ついて,やっぱりずっと疑問というか,困惑があったように思う.
さいきん高速道路網の維持のために無料化を延期する,ということだった.
ちょっと裏読みに過ぎるけれど,そんなこと,最初っからわかっていたのではないか,と.
それでも利用料がずっと右肩上がりで,道路財源も右肩上がりで……みたいな夢を描いて,
でも,それはちょっと眉唾だよ,と思っていたのではないだろうか,と.

そういえばアメリカで,インフラの老朽化が言われていたのは,もうずいぶん前のことだ.
それこそ半世紀近くも前からのことだった.
アメリカに限らないはなしだと思っていた.
列島の国だって,新幹線が無事故で突っ走り続けているのは,日々の保線作業のおかげだろう.
それで,そのためのコストを,どう考えてきただろうか,と思う.

新興・再興感染症にかんする本を読んだのは,もうずいぶん前のことだった.
エイズがメディアをにぎわしていたが,あの頃,いくつかの感染症が問題となっていた.
問題となる,ずっと前から感染症の原因を探索している人たちがいた.ウイルスハンター.
それで,この国で何か対策を講じていただろうか.
合州国のCDCなど,よくは知らないけれど,こうした潜在的なリスクへの対応を図っていたのだろうけれど,
かのトランプさんは,どんな対策をとったのだったか.

多田富雄さんの「免疫の意味論」は,1993年の刊行.
そのまえからずっと研究者の努力はあったのだろうと思うけれど,
そのころ,医学や生物学などの関連分野の人的,物的な強化が図られてきたとは聞かなかった.
……ちょっと脱線.

そういえば,博物館美術館を観光資源として活用しよう……と言ってなかったか.
結果として,とてもおもしろい観光スポットになる……かもしれない.そのことが悪いとは言えないように思うが,しかし,観光資源として整備するか? 昔,観光地行くと秘宝館とかなんとか,ちょっといかがわしくおもしろい施設があったな,と思い出す.看板は,ちょっと洗練されたけれど,似たような者だな,と思うこともある.
だからって,これは高尚な文化,教育の施設だとお高くとまる,というのもなんだかな,とは思う.
では?


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光熱費高騰、苦境の博物館 文化財、24時間の温湿度管理が必要 文科相「各館の経営努力で」

[略]

 博物館や文化財行政を担う永岡桂子文部科学相は1月27日の会見で、博物館の光熱費は「設置者の管理運営の経費」で「それぞれの館の経営努力で適切な対応がなされるもの」だとした。政府が補正予算で電気・ガス価格の激変緩和の事業を計上しているとした上で「文科省としても引き続き注視していきたい」と述べるにとどめた。

 文化庁の担当者は「光熱費高騰で社会全体が苦しい中、博物館の支援をしっかりするべきだなどとは言いにくい」と漏らす。(西田理人 編集委員・宮代栄一 神宮桃子)
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