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出る杭を打つ文化

2023年04月16日(日)

温かい一日,
夜,PCをあけると,こんなことばが流れていた……


何か新しい活動を始めるときに、
英語圏でそれを発表すると活動の内容が議論の的になるのに対して、
日本語圏だと活動の背景にいる人間に関する話が盛り上がる。
中の人が有名か無名かなど、本当はどうでもいいことだが、
日本語圏ではなぜかこれがかなり重要視される。出る杭を打つ文化なのだな。


思い当たることがあったか,すこし振り返る.
どうだったろうか.
じぶん自身はどうだったろうか.





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高橋和巳,あるいは政治の悪?



書棚の本を探してみた.
高橋和巳.

全集は,河出書房新社から刊行された.書棚には,第二十巻だけがあった.
それから,
高橋和巳作品集が,同じく河出書房新社から刊行された.全9巻.
書棚にあったのは,
第4巻 邪宗門
それから,高橋和巳全小説が,これも河出書房新社からでている.全9巻.
これは全巻が書棚にあった.
邪宗門のほかにも,何冊かあったかもしれない.
実家の火災で失われて多くの記憶のなかにあったかもしれないが,もうわからない.
あのころ,学校から帰ってきて,仕事から帰ってきて,かなり集中して読んでいた記憶がある.
いや,高橋和巳だけではなかったけれど..

最近,大本に対する弾圧の顛末を書いた本を読んだ.
特に目新しいことがあったわけではない……と思ったけど,
でも,興味深かった.
そして,高橋和巳の名前を思いだしていた.

もし,もっと長く生きていたら,どんな小説を書いただろうか.
あるいは,もう書かなかっただろうか.

文学作品としてどうなのか,よくわからないけれど,
なにかわからないけれど,とても切迫するような,間違えれば自閉してしまうような,
そんななにかを感じていたか…….
もう30年近く,書棚に眠らせたままだけれど.

そういえば,昔,【日経】の書評欄に,ちょっと保守的な雰囲気の,
しかし,けっして反動ではないし,右というわけでもない,
ちょっといろいろ考えさせるような記事を書く人がいた.
あの会社,文化関係に,意外と――といっては,ちょっと失礼だけど――おもしろい人がいたな.

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春秋
2023/3/29付日本経済新聞 朝刊

先日、読売新聞の歌壇にこんな歌が載った。「『高橋和巳全集』を書架より外す 青春にいざさらばする友」。東京の読者の作品である。作者や友人はどんな日々を過ごし、今に至ったのだろう。この秀歌に触発され、高橋和巳全集の古本をネットで注文してしまった。

▼高橋は、1971年に39歳で早世した中国文学者だ。戦後社会の倫理を問う骨太の著作は、全共闘世代に支持された。村上春樹さんの小説「ノルウェイの森」の語り手は、当時の若者の読書傾向について語っている。「彼らが読むのは高橋和巳や大江健三郎や三島由紀夫、あるいは現代のフランスの作家の小説が多かった」

▼代表作「堕落」の主人公は独白する。「政治的に思弁するということは、それ自体が悪なのだ」。政治の本質は陰謀だ。対立する敵の行動に備えるには、理想を説くのではなく、自らも邪悪な思考を身につける必要がある。歴史を動かしてきたのは、悪人なのだ。「こうした人間に、どんなヒューマニズムがありえようか」

▼国際刑事裁判所に逮捕状を発付され、悪人の評判に箔をつけたロシア大統領。今度はベラルーシに核兵器を配備するという。一方、日本の国会は、わが首相がウクライナ大統領へ贈った「必勝しゃもじ」の当否を議論する。泉下の作家はこの政治状況をどう論評するのか。誰かが書架から外した全集を読み、考えてみたい。
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「レコード芸術」休刊へ――たんにアナログか,デジタルか,ではなく

2023年08月04日(金)

小さな記事だった.
読者ではなかった.
本屋さんで眺めるだけだった.
もはやレコードではない……ということか.
それでも,ちょっと立ち止まった.
ちょっとさびしくもあった.

アナログか,デジタルか,
ということではなかったのだと思う.
そう思いたい.
いや,じっさいにそうなんだと言い張りたい.

批評とか,評論とか,
どんなふうになっていくんだろう,と漠然と思う.
それで,いいのだろうか……とも.

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「レコード芸術」休刊へ
2023年4月4日 5時00分

 クラシックCDの専門誌「レコード芸術」が、6月20日発行の7月号を最後に休刊となる。発行元の音楽之友社が3日、発表した。

 創刊は1952年3月で、公称部数は現在10万部。63年から毎年末、日本のクラシック分野の優れた新譜を顕彰する「レコード・アカデミー賞」も主催している。近年の音楽媒体や雑誌を取り巻く環境の変化や、用紙などの原材料費の高騰といった複合的な理由という。
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小さなコト,あるいは学校とか,思い出すこと

2023年04月04日(火)

朝刊の本の広告を見ていたら,

「起立・礼・着席」の号令で始まる授業!?
「気をつけ」「前へならえ」「休め」って軍隊か!?
「漢字を10回書け」って作業でしょ!?
……これで子どもたちの想像力・創造力を育めるか

という紹介文があった.

松永暢史と奥多摩少年作家連
日本の教育,ここがヘンタイ!

どんな本なのか,知らない.
でも,紹介の文章は,よくわかるようには思う.
というか,詰め襟の制服については,軍隊から模倣したようなことを聞いたことがあったかな.
セーラー服はどうだったろうか.女のいない軍隊……だったろうか.

大きな時計は,学校につきものだった.
時間の観念を国民に植え付けるため,と聞いたことがあった.
日が昇り,日が沈む,
それで一日を過ごしていたのだろうか,
いや,江戸にだって時計はあった……とはいえ,
多くの人びとにとってどうだったか,
そんなことを思い出しながら,
小さな兵隊たちが校庭に整列していたころを思い出す.

運動会の競技種目も,なんとなくそういわれれば,
たとえば騎馬戦とか,棒倒しとか,
それっぽくはあるか.

教師は指揮官だったろうか.
反発と同調,あるいは従順か…….
「いい子」「いたずらっ子」…….
思い出すことはある.そのころ,教師は地域ではとても高学歴の集団だった.
それだけでなんだか偉そうに見えたかもしれない.

それで,教師からなにを学んだだろうか.教師はなにを教えていたのだろうか.
じつは,あまりなにも覚えていない.
振り返れば,結局は自分で勉強したのだろう,と思う.
学ぶことを,学んだとでも言うか.


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