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「大卒、コスパ悪い」5割超 米世論調査 /学費高騰で収入増に見合わず

2023年09月10日(日)

中国で,若い人たちの就職が厳しい状況だとか,しばらくそういう情報がメディアに目立つ.
中国だけではないけれど,
あるいは,この列島の国もまたそうだったように思うけれど,
「後進国」が「先進国」にキャッチアップしていく様には,だいたい似たような傾向があるのだろう.
そして,あとからキャッチアップしていく国,地域が,その傾向をより強めているように思う.

それで,その目当てのひとつであっただろうアメリカの現状には,そういう意味でちょっと興味があるけれど,
自分の生活の様から,なかなか実感としてわからないところが少なくなくて,
そのひとつに家計の中での「教育費」があるんだろうな,と思う.

それは置いて,
では,なんで上の学校に進むのか?
義務教育は中学校まで,で,もう昔話になってしまうんだろうが,中学卒業で就職する人たちが少なくなかったのだろう,都市部への集団就職が話題だった.
いや,たぶんそれ自体が,ある種の経済現象だったかもしれないし,
それがもたらした「都市化」というもののひとつの結果だったのかもしれない.
それでも高校の入学定員が拡大していったのだろう,就職口が求める「能力」〔適性」などが導いたことだったのかもしれない.
祖父母は,たぶんそれこそ義務教育だけだったのだろう,
その子らは,みな一応高校程度以上に進んだ.一番下の男子が大学へ進んだ.

それで,なぜより上の学校に進もうとしたんだろう…….
自分のことも振り返る.
学問とか,科学とか,そんなコトバに魅力があっただろうか.
もうほとんど覚えていないのだけれど,中学の同級生は,ほとんどが高校に進んだと思う.
ひとりだけ記憶に残る人がいて,とてもあいまいな記憶ではあるけれど,ちょっと「ワル」っぽい雰囲気の,でも正直な人だったと思う.いつだったか,せめて定時制でも行こうかと思っている,そんな話をした.どうしているんだろう,とずっと気にかかる.
そのころ,高専,高等専門学校が設立されていた.親しかったクラスメートが進学していった.
公立高校,国公立大学で,学費が千円前後だったろうか.

卒業後に,どんな人生を思い描いていたんだろう…….

……………

アメリカの大学のことはよく取りあげられるけれど,
ヨーロッパの大学,そちらの方が歴史と伝統があるんだろうが,あまり情報が伝わってこないようだけれど,ちょっと偏っているようにも思うが.

そういえば,今年,潮木守一さんがお亡くなりになった.


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「大卒、コスパ悪い」5割超 米世論調査
学費高騰で収入増に見合わず
2023/4/22付日本経済新聞 夕刊

【ニューヨーク=山内菜穂子】米国で「大卒」について懐疑的な見方が広がっている。米世論調査によると、米市民の5割超が大学の学位の価値は取得コストに見合わないと回答した。学費の高騰のほか、深刻な人手不足を背景に、学歴不問の採用活動が広がりつつあることも大卒資格への評価が低下する要因となっている。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とシカゴ大世論調査センターが3月、約1000人を対象に世論調査を実施した。学生ローンの重い負担などを理由に、56%が四年制大学の学位には「価値がない」と思うと答えた。

良い就職や収入増につなげるために「価値がある」と考える人は42%にとどまった。「価値がない」と答えた割合は男性が女性よりも高く、年齢別にみると18歳から34歳が最も高かったという。

WSJによると、同様の質問をした2013年の調査では「価値がある」(53%)が「価値がない」(40%)を大幅に上回っていた。この10年間で大卒への懐疑論が高まった要因には、大学の学費の高騰や深刻な人手不足などがあるとみられる。

全米教育統計センター(NCES)によると20年度の大学の学費(授業料と寮など諸費用の合計)は平均約2万9000ドル(約390万円)。10年前に比べ約1割増えた。州から公立大への財政支援が減ったことや、各大学が魅力を高めるために設備や指導体制を充実させていることなどが学費高騰の原因といわれる。米国の学生ローンの残高は1.7兆ドルに達している。

労働市場の逼迫も大卒の魅力低下につながっている。米労働省によると、3月の失業率は3.5%と歴史的な低水準にある。働き手を確保するために求人の際に学歴を不問にする動きも広がる。東部ペンシルベニア州は1月、州政府の大半の職種で採用条件から学士資格をなくした。東部メリーランド州、西部ユタ州に続く動きだ。

それでも生涯年収をみると、大卒者と高卒者には開きがある。米ジョージタウン大によると、大卒者の生涯年収は平均280万ドルで、高卒者よりも8割多いという。


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鳥取県知事がチャットGPT禁止を表明「地べたで集めた情報に価値がある」

2023年09月26日(火)

けさの朝日新聞1面はAIだったか.
まぁ,なかなか賑やかだし,興味がない……ということはないのだけれど,
なぜこんなに騒々しく取りあげなければならないのか、とは思う.

と思っていたら,
ちょっと前の新聞記事に、おもしろいのがあった.

機械は,自分で見聞きし、調べているわけではない.
遠い将来,すべての情報,知識がデジタル化されたとき,あるいは機械が自ら学習し,考えるときがあるのかもしれないけれど,
いまは,違うのでしょう?
だれかが,機械に情報を与えている.情報を処理する手順については,これもまた機械に与えられているのだろう.誰が? ヒトが.

僕が本や雑誌などを読むとき,ネットから情報を得ようとするとき,
一定のバイアスがかかっているだろうな,とは思う.ぼくは,まったく公平無私なわけじゃないから.
機械は、ひょっとすると公平無私かもしれないけれど,しかし,現状では,外部から情報が与えられなければならないのだとすれば,さて,誰が,どんな情報を与えているんだろう……ということだな,
というのは,大きな間違いだろうか?

あるいは,ネット上の罵詈雑言を,機械はどんなふうに読み解いていくのだろう,とおもうことがある.
これは罵詈雑言である……とか,
いや,愛ある戯れ言である……とか,
はて,さて.


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鳥取県知事がチャットGPT禁止を表明「地べたで集めた情報に価値がある」
地域 政治・行政 鳥取 行政
【中國新聞】2023/4/20
(最終更新: 2023/4/20)

 鳥取県の平井伸治知事は20日、インターネット上の膨大なデータを学習し、違和感のない文章を生成する対話型人工知能(AI)「チャットGPT」について、職員が議会の答弁資料作成や予算編成、政策策定に使用することを禁止すると表明した。「自治体は地域に出向いて情報を集め、地域の話し合いで意思決定するべきだ」と説明。職員の公用パソコンはアクセスできないよう設定したという。

 記者会見で平井知事は、広島県など活用を目指す自治体が相次ぐ「チャットGPT」について「スムーズに文章が出てくるが、情報は過去か現在で、未来の答えは出てこない」と指摘。「現場に出向き、地域の特性に合わせて有効な政策を考えなければならない。端末をたたいて出てくる答えではなく、地べたで集めた情報に価値がある」と強調した。

 また、地方自治や議会がAIに依存すると「民主主義の根幹に関わる」と述べた。一方で「検索エンジンとして情報収集に使うことはありうる」として、私的な活用は否定しないとした。(小畑浩)


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(歴史のダイヤグラム)新幹線で長崎が失ったもの 原武史

2023年08月15日(火)

この時期,ヒロシマがメディアにたくさん露出する.
そして,終戦記念日とか,
あれ? ナガサキは……なんていわないけれど.

なんだかよくわからない新しい鉄道路線が登場したけれど,
なんなのだろう.

そうしたら,甲子園に鳥栖工高が登場とか.
鹿児島本線から長崎本線が分岐する.


西九州新幹線……,
長崎本線はどうなるんだろう,と思ったのだった.
長崎本線の新線ができたとき,ちょっと心配だった.優等列車は,新線経由だった.
ちょっと残念だった.まぁ,勾配のきつい路線だったしな,とは思ったけれど,
旧線しか知らなかったのだから,
トンネルに溜まった蒸気機関車の煙の中を過ぎて,大村湾を見ながら,諫早に…….
まぁ.古けりゃいいというわけではないけれど,
諫早を過ぎて,右手に,有明海を見ながら,海と山に挟まれた狭い平地を列車が走る.
そのうち,佐賀平野の湿地帯を列車が走る……,
そんな風景はどうなるんだろう,と思った.

若い従姉妹は,ひいきのバンドのコンサートを聴きに,博多までときおり特急で行くのだと言っていた.
ずいぶん速くなっているじゃないか,と思ったが,もっと速く,ということなんだろう.

写真を見ると,長崎駅はおおきく変わるらしい……と知る.
0番線は,長崎駅で行き止まり.
駅の先は,近海航路の港.その向こうに,造船所や,遠洋漁業の拠点などが見える.
長崎港内の連絡船は,道路整備でなくなってしまったようだ.

変化の先に、何を見るのだろうと思う.

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(歴史のダイヤグラム)新幹線で長崎が失ったもの 原武史
2023年4月22日 3時30分

[写真]嬉野温泉―武雄温泉間を走る西九州新幹線「かもめ」

 3月25日、私は佐賀にいた。昨年9月に開業した西九州新幹線を切り口として鉄道を考える講演を、佐賀新聞社から依頼されたのだ。

 西九州新幹線は、佐賀県の武雄温泉と長崎の間を結んでいる。本来ならば山陽新幹線に接続する形で博多―長崎間を結ぶはずだったが、武雄温泉以東のルートがまだ決まっていないため、博多から武雄温泉までは在来線の特急を走らせ、武雄温泉で長崎ゆきの新幹線に接続させるという苦肉の策がとられた。

 講演に先立ち、西九州新幹線に乗ってみようと思った。まずは佐賀を8時59分に出る特急「リレーかもめ9号」の自由席車両に乗る。武雄温泉止まりのはずだが、行き先表示は長崎となっていた。

 土曜日のせいか、座席はほぼ埋まっていた。列車は広々とした佐賀平野を西に向かってひた走る。所々に菜の花が咲き、桜も咲き始めている。しかし見慣れた在来線の特急の車内とはなんとなく違う。乗客の雰囲気がそわそわしているのだ。次の停車駅、武雄温泉が近づくと、もう席を立って扉付近に移動する客がいる。新幹線の自由席を確保したいからだろう。

 9時20分、武雄温泉に着く。ホームは高架で、向かい側に長崎ゆきの「かもめ9号」が止まっていた。ほとんどの客がこの列車に乗り換える。乗り換え時間は3分しかないので、あわただしく発車する。もっと混んでいたら、時間通りに発車できたかどうかわからない。

 動き出すやトンネルに入り、出たと思ったらまたすぐ入る。その繰り返しで、季節感というものはない。5~8分走っては嬉野(うれしの)温泉、新大村、諫早(いさはや)と止まる。新大村付近ではかろうじて霞(かす)んだ大村湾が眺められたが、あとはほぼ何も見えなかった。

 9時54分、終点の長崎に着いた。長崎駅といえば、長崎出身のさだまさしの名曲「驛舎(えき)」が思い浮かぶ。頭端式のホームに漂う終着駅ならではの光景が目に浮かんでくるのだ。だが久しぶりに降りた長崎駅は、かつての記憶をとどめていなかった。

 新幹線ばかりか在来線も高架になり、頭端式のホームはなくなっていた。ホームは無人で売店もなく、自動販売機があるだけだった。駅弁はないのかと探したら、改札を出たところにあるコンビニの奥にやっと見つけた。そもそも車内で食べることが想定されていないのだろう。

 旅の楽しみは、車内でゆったりと座り、移りゆく景色を眺めながら駅弁を食べたり、缶ビールを飲んだりすることにある。そう思っている客は西九州新幹線の乗客に似つかわしくないのだ。それでも、速さと引き換えに失われたものの大きさを思わずにいられなかった。(政治学者)


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