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産学連携…… 「大学の研究を企業に販売 政府がデータ基盤、製品開発後押し」(日経 8/17)

2023年11月26日(日)

産学連携反対……大昔の左派学生のスローガンのひとつ,
大学は,産業の下請けではない,というところか.
それはそうだと思う.
もうすこし自由にやらせればいいじゃないか,
学生時代を過ぎれば,いやでも不自由な職業人生活にはいっていくのだから……というのは,
自分もそういう立場になってからの実感,だったかな.

私企業側は,どう見ているんだろう?
いまひとつよくわからない.
研究部門にいた知り合いの多くは,中年になって,研究所を去っていったようだ.
keep youngというわけだ.じっさいにそういうものなのか,よくは知らない.
しかし,じゃ,大学教授など,40歳定年でみんなクビにすればいい,とは,やはりならなかったな,と思う.

研究開発に,つまりは人材にもっと投資をすればいいじゃないか,
と素人としては思う.
学校教育を通して,さまざまなジャンルの知識,あるいは思考といったことにに対する感度,態度をつくってきて,ものの考え方とかを培ってきて,
企業がそういう態度や能力を,会社組織の中でどう使いこなすか,ということじゃなかったのか,
と思うが,
教育にタダノリしようなんて,甘いんじゃないのか,とちょっと陰口たたきたくなる.
役所の側も,どう考えているんだろう.

そういえば,もうそういう時代は来ないのかもしれないけれど,
ある市役所の古い職員録を見ていたら,けっこうな年棒で技術系の管理職員が掲載されていた
たぶん,大卒.戦前だから,とても珍しかっただろう.技術系,建築だったか.
公共建築などで,彼,あるいは彼の仲間たちは,民間の人たちと協力し,というか,新しい高度な知識,技能をもって,民間の人たちを共に事業を進めていたのだろう.

あるいは,島津製作所でノーベル賞を受賞した方の発言を思い出す.

もうすこし大きな風呂敷の中で考えること,なすべきことがありそうに思うが,
さてどうなんだろうか.

あまり大学という組織に頼り過ぎると,結局共倒れになるんじゃないか,と.
あるいは,人材,人財,人はたんなる材料になるのか,財産になるのか,と思案する.

でも,なんかヘンだな……,記事を読みながら思った.

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大学の研究を企業に販売 政府がデータ基盤、製品開発後押し
2023/8/17付日本経済新聞 朝刊

政府は大学の研究データを企業に有料で提供する仕組みをつくる方針だ。国立情報学研究所(NII)のシステムを使って研究者と企業の間でデータを売り買いできる制度を構想する。民間企業による大学の研究を活用した製品開発を促す。

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研究データ利用の産学連携の流れ
 大学       研究
  ↓
 国立情報学研究所 大学の研究データの蓄積・公開
  ↓
 企業       製品開発に使えるデータの購入・利用
…………………………………………………………………

気候変動や災害対策などの自然科学分野を念頭に置く。NIIと内閣府、文部科学省で具体的な料金設定や開始時期を検討する。

NIIは情報学分野の研究に取り組んでおり、2021年に研究データの管理システムの本格的な運用を始めた。研究の成果を社会に役立てる「オープンサイエンス」を実現するための基盤となる。

このデータベースでは研究機関ごとに論文やデータを入れる「リポジトリ」という枠が割り当てられている。23年3月時点で714の大学や研究機関が利用する。

利用料は大学などの規模により異なる。例えば常勤の教員・研究者の人数が1501人以上の場合、大学や研究機関は年80万円弱の料金を支払う。

データベース内の情報はインターネット上で検索できる。同時に重要な研究結果は共同研究者など特定の相手しか見られないよう一部を非公開とする設定が可能だ。

この仕組みを使って、企業がネット上で見つけたデータの中からほしいものを購入できるようにする。

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