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(私の視点)パラダイス文書 不平等の源、合法でも凶悪 マリナ・ウォーカー・ゲバラ

2024年04月11日(木)

資本は国境を越える…….
そんな議論を聞いていたのは,もう半世紀前のことか.

もうほとんど忘れてしまっているのだけれど,
資本論のさいご,世界市場が登場していなかったか.

多国籍企業,あるいは超国家的な企業とでもいうのだろうか,
それらを前に、国民国家には何ができるのか……とも.

そのころ覇権国家の寿命はどのくらいだろうか……なんて議論もあったと思う.
いまは,ほとんど聞かない.
アメリカ一極だとか、でもほんとうだろうか.

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(私の視点)パラダイス文書 不平等の源、合法でも凶悪 マリナ・ウォーカー・ゲバラ
2017年12月15日05時00分

〔写真〕マリナ・ウォーカー・ゲバラさん

ICIJと提携メディアが11月に一斉に報じた「パラダイス文書」の意義は、タックスヘイブン(租税回避地)についてまだまだ知らないことだらけだ、ということが分かったことだ。
昨年の「パナマ文書」では、市民が街頭で抗議をしたり首相が辞任に追い込まれたり、社会が変わった。タックスヘイブンについて取材経験を重ねた我々は、それがどんなものか、分かったつもりになっていた。
だが実際、事業の仕組みは常に複雑で、これまで以上に洗練されてきている。
今回、パラダイス文書で判明した多くのケースは、完全に合法だ。富裕層や大企業を手伝うエリート弁護士たちが、合法と違法のすき間をぬって仕事をしているためだ。だが、合法だといっても、実際は凶悪で、不道徳で、現実世界に多くの犠牲者を抱えている。
グローバルエリートたちの秘密であり、不平等な物語であり、社会のなかで最も豊かな人々と残りの人々との格差がますます広がっている現実でもある。
トランプ大統領に近い政治家ら大勢の米国人顧客を発見できたのも成果だ。パラダイス文書より前は、見つけられなかった。国家主義的な「アメリカ・ファースト」の政策が進められているが、そんな政治理念の人たちでさえ、米国の外でタックスヘイブンを探し求めている。読者が政策を判断する際に、その事実を知るのは重要なことだ。
政治家だけでなく富裕層、スポーツ界、音楽出版業界、エリート大学までも、タックスヘイブンを利用していた。イデオロギーや業種に関係なく、秘密を守りたいすべての人たちに、タックスヘイブンの世界が魅力的なのだろう。
また、ジャーナリズムを変えたところにも意義がある。政治も経済も犯罪も国境をまたぐ時代にありながら、ジャーナリストは別々に活動している。それが実際に一緒に働けることを、これほどの世界規模で実証できた例は過去にない。
メディアが、米国や世界で攻撃されている時こそ、このような深い情報交換と連携、証拠を元にしたジャーナリズムが重要であると考える。公衆に関心が持たれる重要な人々の犯罪や隠された行為を明らかにする情報が今後も告発され続ける限り、私たちはこうした報道を続けるつもりだ。
(Marina Walker Guevara国際調査報道ジャーナリスト連合〈ICIJ〉副事務局長)


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(私の視点)格差ない医療実現 最貧困層の支援こそ近道 アンソニー・レーク

2024年05月15日(水)

そうか,きょうは,5・15.
海軍士官らの,少数のクーデター騒ぎか,忘れてしまったけれど.

学生のころ,「医療経済学」を専門とする教員が赴任してきた.
医療を対象とする経済書は,あまり目にしていなかったか.
ちょっと背伸びして,学会誌を見たりしながら,ちょっとなじめない印象が残っていた.
いや,性格には,正統派と目される人たちにアプローチになじめなかった,というか.

さいきんの年金をめぐる議論などでも、どうもしっくりこないな……と思うことが多い.
なぜだろう.

歴史的な経緯とか,現実の社会ではたしているであろう機能,役割などを思い浮かべながら,
はて,と思う.
そこからすこしも前にすすめられなかったけれど.

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(私の視点)格差ない医療実現 最貧困層の支援こそ近道 アンソニー・レーク
2017年12月15日05時00分

[写真]アンソニー・レークさん

世界の大半の地域では、誰でもが保健や医療のサービスを利用できるのは遠い夢のような話だ。しかし、すべての人々が支払える費用で、必要な保健医療サービスを受けられる「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」は、決して実現不可能ではない。
現に、日本は1961年の国民皆保険制度でそれを実現した。さらに長年にわたり、世界中のすべての人に良質な保健医療を届けるため、国際社会でのリーダー役を担ってきた。14日まで東京で開かれた「UHCフォーラム2017」は誰一人取り残さないという日本の強い意志の表れだ。
しかし、いまだに世界の多くの地域で、生死までもが医療の進歩ではなく、経済的な格差で決定されている。貧富の格差は命の格差――これほどまでに単純な公式が成り立つほど、現実は不公平な状況だ。
適切な保健医療サービスを受けられない人が多い地域では、弱い立場にいる子どもを含む国民全体が、常に病気や死亡の高いリスクにさらされ、その国の発展や安定が損なわれている。
ユニセフの最新の分析では、子どもの死亡率を下げるためには最貧困層へ優先的に支援をすれば、そうしない場合に比べて同じ費用で2倍近くの命を救えることが分かった。最も貧しく弱い立場にいる人々に重点を置くことが、より早く全世界でUHCを実現する近道となる。
各国の戦略的な理由から見ても、こうした人々の健康と命を守り、生産性を高めることは、社会全体の貧困と不公平が世代を超えて連鎖することを食い止めることにつながる。だが、多くの国の政策や施策はこれを反映していない。今こそ、この状況を変えなければならない。
UHCの前進には、地域に根差した基本的な医療ケアを提供することや、保健の知識を普及するボランティアの育成が必要だ。この取り組みは、栄養や衛生、インフラ整備など、健康と密接に関わる分野での取り組みと一緒に行うことで効果が高まる。
「UHCフォーラム」ではこうした取り組みや政策への支援を活発化させる方策が話し合われた。これを機に道義的にも、戦略的にもUHCを実現させる努力を加速させる必要がある。
(Anthony Lakeユニセフ事務局長)

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人事局、省庁職員に投資促す 2017-12-23

2023年11月09日(木)

ちょっと前のスクラップを見ていたら,
こんな記事があった.
本文はもっと長かったのかな.

そのときに書き込んだメモ書きに,

  よくわからないニュースだと思った.
  よくはわからないけれど,
  老後もみな「自己責任」といいたいのだろうか,と思った.

それで,いま,実態はどうなっているんだろう…….

もう大昔と言うことになるんだろうけれど,
学生のころ,恩師は,間接金融から直接金融への移行を,
そうすべきだ,ということではなく,
そうなっている,そうなりつつある,
と分析していた.
バブルのころだったか,世界の株価の時価総額が,世界のGDPの総額を超えたと言われた.
それで,どうなるんだろう,これから……と.



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人事局、省庁職員に投資促す
2017年12月23日05時00分

内閣人事局は、少額投資非課税制度(つみたてNISA=ニーサ)や個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)に職員が取り組むよう各省庁に求める文書を出した。「貯蓄から投資へ」の流れを加速させるために自ら範を示す。

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「美術館なくすな」ファンの声で再開 地方の文化施設、物価高が直撃

2024年03月11日(月)

別に文化施設に限ったことではないのだろう.
「官」に限るわけでもないのだろう.
ただ,「官」の場合,なかなか撤退が難しい,ということがありそうに思う.

Museumは,その所蔵品がとても重要なんだろう.
戦争や侵略で,よそから略奪してくるわけにも行かないだろう,
いや,むかしは,だいたいそんなものが多かったんだろう,
どのように所蔵資料を拡大するか……,
いや,拡大しなければ,飽きられてしまう?

図書館も同じようなものか.

それらに限らず,さまざまなインフラも,じつは同様なんだろう.

「官」には,減価償却のようは発想が乏しいんだろうとは思うけれど,
それにしても,さまざまな施設や,設備をつくる一方で,
さて,それらの維持管理はどうなるんだ,と.
たぶんずっと前から,多少の議論はあったんだろうか.

政治の場面で,つくることは実績につながり,こわしたり,縮小したりではなかなか実績につながらないだろう.
(博覧会を中止した青島幸男さんの,あの決定をどう考えるかは,ちょっと思案する必要があるかもしれない.でも,大阪,どうなんだろう)

そういえば,大阪府の美術作品の管理が問題になっていたな,と思い出す.
知事が替わった影響でもあったのだろうか.その辺の事情は,報じられないから,ただ忘れられていただけなのかもしれないけれど.

で,「民」だったら?


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「美術館なくすな」ファンの声で再開 地方の文化施設、物価高が直撃
遠藤和希2023年11月8日 7時00分

 家計や商店の経営を圧迫する光熱費高騰や相次ぐ商品の値上げ。そんな物価高の影響で、台所事情が苦しいのは地方都市の美術館や博物館も同じ。全国有数の施設数を誇る長野県内では、コロナ禍による入館数減少の影響を引きずり、中には運営者の高齢化による後継者難に悩む施設もある。岐路に立つ文化施設の実情を探った。

コロナ禍で収入減、節約でしのぐ

 長野市の川中島古戦場史跡公園に立つ市立博物館は1981年の開館。プラネタリウムも備える同館の入館者は例年3万人を超える。

 長野盆地の歴史や風土を紹介する博物館の収蔵品は約10万点。昨春には川中島の戦いについての常設展示室もつくった。2022年度の博物館の歳出は分館も含めて約2億2200万円だった。運営費の多くは市の予算からまかなうが、23年度の場合、2千万円近くは入館料収入をあてる。

 ただ、コロナ禍がその収入を直撃した。コロナ禍で入館者数は半減、今も回復しきっていない。さらに、エネルギー価格の高騰が重なり、昨年度の電気代は当初予算から約3割増に。

 電気代は市の予算の増額でまかなったものの、収入減は施設や展示への関心を高めてもらうための資料作成費などを節約してしのぐ。学芸員の成田健館長補佐は「学校や団体客は戻ってきたが、紙代も上がり負担は増している。節電や冊子の発行部数を減らすなどして何とか予算内でやりくりしている」。

 県内の博物館や美術館を会員とする長野県博物館協議会の笹本正治会長は「コロナで減った客を呼び戻すためにも魅力ある作品を充実させる必要がある。だが運営費を切り詰めるなかでそれも難しく、県内の博物館では美術品や資料の維持管理も大変になっている」と明かす。

 東京の国立科学博物館も8月、光熱費や資材の高騰で、標本の収集保管などにあてる費用が危機的な状況にあると訴え、クラウドファンディング(CF)で寄付を募りはじめた。

年間120万人を集めた人気ミュージアムが閉館

 私設の施設への影響はより大きい。長野県安曇野市では、コロナ禍のあおりで20年12月末に美術館を併設したガラス工芸のテーマ施設「安曇野アートヒルズミュージアム」が閉館した。一時は年間120万人の来場者を集めた施設だった。

 一方、小規模な個人美術館では運営者の高齢化も重い課題としてのしかかる。安曇野市の有明美術館は1990年代、年間1万人ほどの入館者でにぎわった。しかし、70代を超えた館長夫婦による運営の負担や後継者不足、維持管理費の重荷がもとで2019年に一度は閉館した。

 ところが、すぐに予想外の反応があった。「有明美術館をなくしてはいけない」。そんな電話が同館を知るファンから続いた。希望者には個別に作品を見せることも増え、声に押されて今年9月に美術館を再開したが、その壁となっていたのは、やはりコロナ禍と物価高で膨らむ維持管理費だった。

 同館に並ぶのは「原爆の図」を手がけた丸木位里さん・俊さん夫婦に描いてもらった絵画や彫刻、古陶磁など約70点。ファンの思いに支えられて運営を続ける松村英館長(93)は「美術館は自分に合った作家を探す場所でもある。どうしてもはやりで運営には波がでるが、好きな作家、作品と向き合い、ゆっくりみることができる美術館として原点に返りたい」という。

 同館は今後も運営方法を模索していくつもりだ。

運営の持続可能性、軽井沢で議論

 美術館などの文化施設が集まる長野県軽井沢町で8月、建築家や地元町長らが地域の文化について話し合った「まちづくり交流会」。ここでテーマとなったのも美術館や博物館の持続可能性と経営の課題だった。

 パネリストの一人、脇田美術館(軽井沢町)の水野誠一評議員は「今は国の美術館も独立行政法人という形で、資金難が共通した問題」と指摘。民間のサポーターから寄付が集まる米国のメトロポリタン美術館を例に「日本の寄付の税制自体を考える必要がある。控除は少なく、私設に対しての待遇も十分でない」と訴えた。

 軽井沢安東美術館(同町)の安東泰志代表理事は、「価値を永続的に提供するためにはまず、キャッシュフローを黒字化しないといけない。町には財政的な支援ではなくて駅中の美術館の案内に記載するなど、公私の分け隔てない文化振興をしてほしい」と話した。

 文部科学省が今年3月に公表した2021年度の社会教育統計調査によると、国内の博物館数は類似施設を含め5771と過去最多に。ただ、約10万人で推移していた1施設当たりの利用者数は20年度にコロナ禍の影響で半減するなど運営をめぐる状況は厳しい。

運搬費用や保管のための電気代もかさむ

 エネルギー高の影響は展示だけにとどまらない。県博協によるとガソリン代の高騰で美術品や資料を県内に運ぶ費用や、作品を保管する収蔵施設の温度・湿度管理の電気代もかさんでいる。展示の充実や教育普及に必要な費用への影響を抑えようと多くの施設が自助努力を重ねているという。

 県博協が事務局を置く県立歴史館(千曲市)も、ふるさと納税型のクラウドファンディング(CF)を「川中島合戦における武田信玄(晴信)書状購入プロジェクト」に活用した。史料を収集し、伝え守る意義を丁寧に説明することで約200人から購入費用計339万円を集めることができた。

 県博協の笹本会長はいう。「時代の曲がり角に過去を正しく認識するためにも、収蔵品を次の時代に伝えていくことが博物館の義務。収蔵庫を守っていくことも含めて、みなで考えていかなくてはならない」(遠藤和希)


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