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(時時刻刻)月収25万円、町議立候補ゼロ 地方議員、なり手増やすには

2024年04月11日(木)

だいぶ前の記事だけれど,さいきんも論議されているようだ.

どうなんだろう…….
記事に出てくる片山善博さんの議論は,なんとなくよくわかるように思う.
それでも,議員もまた食べていかないといけないから……と思う.

議員というのは、職業なんだろうか?とも思う.
職業でなければ,報酬はいらない、というのではない.
兼職を認めたらどうか、たとえば民間企業などでは,社員としての身分を残して議員になることができるところもあるのだろう.
公務員など,どうするか、ちょっと思案.

……………
そういえば,北欧など,政治家に女性が多いのだとか.
それで,男が政治に向かわないで,実業に向かうのだという.
収入が違う、という話だったように思う.
ほんとうか,よくは知らない.

また,そのこととかかわりがあるか知らないけれど,
休日の議会開会が広く見られるとも.
自治体の場合,たしかにありうることだとも思うが,
この国ではほとんど聞かない.

多選については、どうなんだろうか.
自治体によっては,首長の在任が新卒採用者より長いんじゃないか、というような事例も見られる.
公務員と政治家との関係,とても微妙なところもあるように見えるが,
どうなんだろう.

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(時時刻刻)月収25万円、町議立候補ゼロ 地方議員、なり手増やすには
2022年12月26日 5時00分

[写真]神奈川県大井町の町議補選ポスター掲示場。誰も立候補せず無投票となった=9日

[図]地方議員を取り巻く課題

 過疎化や人口減の進む中、まちの未来をどう描くのか。その担い手である地方議会で、議員のなり手不足が深刻だ。無投票当選が増え、立候補が1人もいない選挙も現れた。来年春は統一地方選がある。住民の関心を高め、女性や勤め人を呼び込むには何が必要か。

 「報酬水準の見直し」「夜間・休日議会の開催」――。岸田文雄首相の諮問機関「地方制度調査会」が年内に首相へ手渡す答申には、議会の主体的な取り組みを求める言葉が並ぶ。地域の課題が多様化しているのに人材は画一化していることへの危機感がにじむ。

 東京都心から南西に約60キロ。東名高速が横断する神奈川県大井町では今月6日告示の町議補選に、誰も立候補しなかった。町選挙管理委員会によると確認できる1989年以降の選挙で立候補ゼロは初の事態だ。

 同時にあった町長選の投票率は38・75%で過去最低。再選した小田真一町長は「政治に無関心な状況は残念。どうしたらいいのか」と嘆く。知人に町議補選への立候補を打診したが、断られたという。

 人口約1万7千人の町で、なぜ誰も手を挙げなかったのか。一因に指摘されるのが報酬の少なさだ。

 町議の報酬は月25万7千円でボーナスを含めると年間約430万円。政務活動費はなく、経費はすべて報酬からまかなう。任期は4年間でその後は保障されていない。勤め人にとって魅力は乏しい。

 大分県の東海岸にある津久見市も、なり手不足に直面する自治体の一つだ。

 石灰石の産地で「セメントのまち」として栄えたが公共工事の減少などで需要が低迷。若者の流出が進み人口は約1万6千人で50年間で半分に減った。市議会議員の定数は2023年に14から12に減らす。50年前の半分だ。それでも15年から3回連続無投票の可能性がささやかれている。

 市議会も対策に乗り出している。昨年7月に特別委員会を設けて住民らと議論し、来年4月から報酬を月額31万円から32万5千円へ引き上げると決めた。

 それでも、19年春に初当選した島田勝さん(44)は来春に立候補するかどうか決めかねている。

 過疎が進む市内の離島で生まれ育った。大分市の企業に勤めていたが18年に津久見市の「地域おこし協力隊」に応募してUターン。島内の診療所や航路の維持に取り組もうと市議の道を選んだ。仕事にはやりがいを感じている。しかし、落選すれば職を失う。家族は心配が尽きないという。

 島田さんは、市議14人全員が男性という議員構成の見直しも課題だという。育児をしながら議会に参加できるようオンライン出席の環境整備や、候補者や議席の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」の導入の検討が必要だと訴える。「多様な議員がいてこそ、様々な住民の意見に耳を傾けることができる」(豊平森、榊原一生)

 ■年齢で報酬加算・請負関係あっても兼業可に 制度、各地で見直し

 なり手不足の解消へ制度を見直す議会もある。

 長野県南部の中川村。人口5千人弱の村は今年の3月議会で、年代別に報酬を加算する制度を導入した。

 もともと17万5千円だったが、35~39歳は1万5千円、50~59歳なら7万1千円と年代が上がるにつれて加算する。3回連続で無投票となった18年の村議選後、村職員給与を参考に条例を改正した。

 今年8月の村議選も無投票だったが、当選者全員が60~70代だった前回と異なり、30代と40代の男女計2人の議員が誕生した。

 島崎敏一さん(39)と大島歩さん(46)は新制度が立候補の「一つの後押し」になったと話す。一方で「同世代に勧められるかといえば収入的に厳しいと感じる人もいるのでは」(大島さん)。

 質問の準備など議員の仕事に際限はなくそれぞれ持つ別の仕事との両立は難しい。加算されたとはいえ「家計のやりくりは楽ではない」(島崎さん)。

 高知県大川村は19年春、村の仕事を請け負う職業の人でも、村からの請負比率が低ければ村議になれるよう、条例をつくった。地方自治法では当時、所属する自治体から受注する仕事が中心の企業や団体の役員に議員が就くことを禁じていたが、その要件が明確でなかったからだ。

 直後の選挙で初当選した岩崎一仁村議(74)は当時、社会福祉協議会会長や森林組合理事など17の肩書があった。立候補には兼業制限が障壁になっていた。

 条例により、森林組合理事は兼業制限に当たらないと判断された一方、社会福祉協議会会長は村からの請負比率が5割を超えたため、兼業が認められなかった。選挙前に協議会に退職願を出した。

 当選後は、森林組合理事などを務めながら、議員活動を続けている。「過疎は深刻。兼業は一つの方策として国も考えていくべきだ」

 ■役割は、魅力は

 報酬増にあたっては、議員の活動内容が問われることもある。

 福井県美浜町議会は昨年、23万5千円の報酬を11万円ほど引き上げる案を作ったが、町民代表でつくる審議会に突き返された。活動が見えないと批判されたためだ。審議会に活動の日数や時間を報告したのは町議14人のうち8人だけだったという。町民代表の男性は「こんなに引き上げるのに、議員が何をしているか分からない。町民を説得できない」。

 議会は今年、プロジェクトチームを作り、来年から議会や議員の活動量を調査して批判に応える方針だ。

 議員報酬を見直す動きは目立つが、元鳥取県知事の片山善博・大正大教授(地方自治論)は「なり手不足の根本的な原因は、議会に活発な議論がなく、住民を引き付ける魅力を欠いていること。多くの議会は開会の時点で結論が決まっていて、首長からの提案をそのまま通すだけだ」と指摘する。「住民の関心を失えばなり手が集まらず、議員の質が下がればさらに住民が遠ざかる。地方自治は住民が首長と議員をそれぞれ直接選ぶ二元代表制で成り立つ。互いに緊張感を持って、切磋琢磨(せっさたくま)することで施策も磨かれる」と話す。(堅島敢太郎、清水大輔、佐藤常敬)


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企業版ふるさと納税、1.5倍に 341億円、広がる自治体間格差

2024年04月11日(木)

はじめて「ふるさと納税」とか聞いたとき,
出生地,あるいは義務教育,高校ぐらいまでの教育を受けた「ふるさと」への寄付制度か,と思ったのだった.
でも,地方交付税制度だったあるしな……とか,
そもそも税金てなんだ,住民税とか,固定資産税など、かなりはっきりしているじゃないか,と.

でも,違っていた.
政権党などで、国土強靱化とかいってるじゃないか,
まずはその枠組みで、過疎化の進む地域をどうするのか、ちゃんとやれよ,って思ったのだった.

誰かが儲かっている,
こんどamazonがふるさと納税に参加するのだとか,
彼らはどこで,どのように収益を上げているんだろう?

それにしても,ある意味で善意の寄付なのだろうと,さいしょ思った.
だとすれば、見返りがあるとは、なぜ?
寄付について所得税控除などはあるのだろうな,というぐらいには思ったが.
ヘンな制度だな,と思う.というか,
国家のもっとも重要な制度のひとつの「税」について,こんなのでいいのかな,と.

そういえば,子育て支援に、増税ではなく,社会保険への上乗せで対応とか.
ふつうには税+社会保険料で、広義の税ということじゃなかったか.


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企業版ふるさと納税、1.5倍に 341億円、広がる自治体間格差
2023年8月31日 5時00分

 内閣府は29日、企業が自治体に寄付すると税金が安くなる「企業版ふるさと納税」の2022年度の実績を公表した。全国の寄付額は前年度比約1・5倍の341億円、寄付件数は同1・7倍の8390件と大きく増加した。「税の公平性の観点から問題がある制度だ」との指摘も出ている。

 全国で最も寄付額が多かったのは静岡県裾野市で15億4600万円。同市内で実験都市「ウーブン・シティ」を建設中のトヨタ自動車や、同社に連なるミサワホームが寄付した。2位は北海道大樹町で14億600万円。同町が進める「ロケット打ち上げ拠点」の整備事業に70社が寄付。寄付額は同町の22年度一般会計の77億円の2割弱にのぼった。

 企業版ふるさと納税は、大都市に集中しがちな企業の納税額を地方に分配する狙いで16年度から始まった。地方活性化のための事業計画を自治体がつくり、国に認められたものが寄付の対象事業になる。企業は、寄付額のうち最大9割分が法人税などから税額控除される。100万円を寄付すれば最大90万円の税金が安くなる仕組みだ。

 個人版のふるさと納税と違い、企業版では寄付した企業に対する自治体からの「経済的利益」の供与は禁止されている。16~19年度の寄付額は7億~30億円台と伸び悩んだが、それまで最大6割だった控除率を20年度から最大9割に引き上げると、寄付件数が急増した。22年度は、寄付を受領した自治体は前年比320増の1276。寄付した企業は1565社増の、4663社だった。

 一方、多額の寄付を集めた自治体は一部に限られ、自治体間の「格差」は大きい。静岡県でみると、裾野市のほかに34自治体が寄付を募ったが、受領した額の平均は約1300万円。裾野市とは15億円以上の差があった。寄付が集まらなかった自治体も複数あった。内閣府の担当者は「注目されている事業は寄付が集まりやすい。自治体によってかなりばらつきがある」と話す。

 鳥取県知事を務めた片山善博氏は「寄付した企業には間接的なメリットがあると考えられ、企業にとっては実質的には投資。『寄付』とはいえない。税の公平性の観点からも、問題がある制度だ」と指摘する。(千葉卓朗、川辺真改)
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(私の視点)パラダイス文書 不平等の源、合法でも凶悪 マリナ・ウォーカー・ゲバラ

2024年04月11日(木)

資本は国境を越える…….
そんな議論を聞いていたのは,もう半世紀前のことか.

もうほとんど忘れてしまっているのだけれど,
資本論のさいご,世界市場が登場していなかったか.

多国籍企業,あるいは超国家的な企業とでもいうのだろうか,
それらを前に、国民国家には何ができるのか……とも.

そのころ覇権国家の寿命はどのくらいだろうか……なんて議論もあったと思う.
いまは,ほとんど聞かない.
アメリカ一極だとか、でもほんとうだろうか.

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(私の視点)パラダイス文書 不平等の源、合法でも凶悪 マリナ・ウォーカー・ゲバラ
2017年12月15日05時00分

〔写真〕マリナ・ウォーカー・ゲバラさん

ICIJと提携メディアが11月に一斉に報じた「パラダイス文書」の意義は、タックスヘイブン(租税回避地)についてまだまだ知らないことだらけだ、ということが分かったことだ。
昨年の「パナマ文書」では、市民が街頭で抗議をしたり首相が辞任に追い込まれたり、社会が変わった。タックスヘイブンについて取材経験を重ねた我々は、それがどんなものか、分かったつもりになっていた。
だが実際、事業の仕組みは常に複雑で、これまで以上に洗練されてきている。
今回、パラダイス文書で判明した多くのケースは、完全に合法だ。富裕層や大企業を手伝うエリート弁護士たちが、合法と違法のすき間をぬって仕事をしているためだ。だが、合法だといっても、実際は凶悪で、不道徳で、現実世界に多くの犠牲者を抱えている。
グローバルエリートたちの秘密であり、不平等な物語であり、社会のなかで最も豊かな人々と残りの人々との格差がますます広がっている現実でもある。
トランプ大統領に近い政治家ら大勢の米国人顧客を発見できたのも成果だ。パラダイス文書より前は、見つけられなかった。国家主義的な「アメリカ・ファースト」の政策が進められているが、そんな政治理念の人たちでさえ、米国の外でタックスヘイブンを探し求めている。読者が政策を判断する際に、その事実を知るのは重要なことだ。
政治家だけでなく富裕層、スポーツ界、音楽出版業界、エリート大学までも、タックスヘイブンを利用していた。イデオロギーや業種に関係なく、秘密を守りたいすべての人たちに、タックスヘイブンの世界が魅力的なのだろう。
また、ジャーナリズムを変えたところにも意義がある。政治も経済も犯罪も国境をまたぐ時代にありながら、ジャーナリストは別々に活動している。それが実際に一緒に働けることを、これほどの世界規模で実証できた例は過去にない。
メディアが、米国や世界で攻撃されている時こそ、このような深い情報交換と連携、証拠を元にしたジャーナリズムが重要であると考える。公衆に関心が持たれる重要な人々の犯罪や隠された行為を明らかにする情報が今後も告発され続ける限り、私たちはこうした報道を続けるつもりだ。
(Marina Walker Guevara国際調査報道ジャーナリスト連合〈ICIJ〉副事務局長)


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(私の視点)格差ない医療実現 最貧困層の支援こそ近道 アンソニー・レーク

2024年05月15日(水)

そうか,きょうは,5・15.
海軍士官らの,少数のクーデター騒ぎか,忘れてしまったけれど.

学生のころ,「医療経済学」を専門とする教員が赴任してきた.
医療を対象とする経済書は,あまり目にしていなかったか.
ちょっと背伸びして,学会誌を見たりしながら,ちょっとなじめない印象が残っていた.
いや,性格には,正統派と目される人たちにアプローチになじめなかった,というか.

さいきんの年金をめぐる議論などでも、どうもしっくりこないな……と思うことが多い.
なぜだろう.

歴史的な経緯とか,現実の社会ではたしているであろう機能,役割などを思い浮かべながら,
はて,と思う.
そこからすこしも前にすすめられなかったけれど.

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(私の視点)格差ない医療実現 最貧困層の支援こそ近道 アンソニー・レーク
2017年12月15日05時00分

[写真]アンソニー・レークさん

世界の大半の地域では、誰でもが保健や医療のサービスを利用できるのは遠い夢のような話だ。しかし、すべての人々が支払える費用で、必要な保健医療サービスを受けられる「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」は、決して実現不可能ではない。
現に、日本は1961年の国民皆保険制度でそれを実現した。さらに長年にわたり、世界中のすべての人に良質な保健医療を届けるため、国際社会でのリーダー役を担ってきた。14日まで東京で開かれた「UHCフォーラム2017」は誰一人取り残さないという日本の強い意志の表れだ。
しかし、いまだに世界の多くの地域で、生死までもが医療の進歩ではなく、経済的な格差で決定されている。貧富の格差は命の格差――これほどまでに単純な公式が成り立つほど、現実は不公平な状況だ。
適切な保健医療サービスを受けられない人が多い地域では、弱い立場にいる子どもを含む国民全体が、常に病気や死亡の高いリスクにさらされ、その国の発展や安定が損なわれている。
ユニセフの最新の分析では、子どもの死亡率を下げるためには最貧困層へ優先的に支援をすれば、そうしない場合に比べて同じ費用で2倍近くの命を救えることが分かった。最も貧しく弱い立場にいる人々に重点を置くことが、より早く全世界でUHCを実現する近道となる。
各国の戦略的な理由から見ても、こうした人々の健康と命を守り、生産性を高めることは、社会全体の貧困と不公平が世代を超えて連鎖することを食い止めることにつながる。だが、多くの国の政策や施策はこれを反映していない。今こそ、この状況を変えなければならない。
UHCの前進には、地域に根差した基本的な医療ケアを提供することや、保健の知識を普及するボランティアの育成が必要だ。この取り組みは、栄養や衛生、インフラ整備など、健康と密接に関わる分野での取り組みと一緒に行うことで効果が高まる。
「UHCフォーラム」ではこうした取り組みや政策への支援を活発化させる方策が話し合われた。これを機に道義的にも、戦略的にもUHCを実現させる努力を加速させる必要がある。
(Anthony Lakeユニセフ事務局長)

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人事局、省庁職員に投資促す 2017-12-23

2023年11月09日(木)

ちょっと前のスクラップを見ていたら,
こんな記事があった.
本文はもっと長かったのかな.

そのときに書き込んだメモ書きに,

  よくわからないニュースだと思った.
  よくはわからないけれど,
  老後もみな「自己責任」といいたいのだろうか,と思った.

それで,いま,実態はどうなっているんだろう…….

もう大昔と言うことになるんだろうけれど,
学生のころ,恩師は,間接金融から直接金融への移行を,
そうすべきだ,ということではなく,
そうなっている,そうなりつつある,
と分析していた.
バブルのころだったか,世界の株価の時価総額が,世界のGDPの総額を超えたと言われた.
それで,どうなるんだろう,これから……と.



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人事局、省庁職員に投資促す
2017年12月23日05時00分

内閣人事局は、少額投資非課税制度(つみたてNISA=ニーサ)や個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)に職員が取り組むよう各省庁に求める文書を出した。「貯蓄から投資へ」の流れを加速させるために自ら範を示す。

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「美術館なくすな」ファンの声で再開 地方の文化施設、物価高が直撃

2024年03月11日(月)

別に文化施設に限ったことではないのだろう.
「官」に限るわけでもないのだろう.
ただ,「官」の場合,なかなか撤退が難しい,ということがありそうに思う.

Museumは,その所蔵品がとても重要なんだろう.
戦争や侵略で,よそから略奪してくるわけにも行かないだろう,
いや,むかしは,だいたいそんなものが多かったんだろう,
どのように所蔵資料を拡大するか……,
いや,拡大しなければ,飽きられてしまう?

図書館も同じようなものか.

それらに限らず,さまざまなインフラも,じつは同様なんだろう.

「官」には,減価償却のようは発想が乏しいんだろうとは思うけれど,
それにしても,さまざまな施設や,設備をつくる一方で,
さて,それらの維持管理はどうなるんだ,と.
たぶんずっと前から,多少の議論はあったんだろうか.

政治の場面で,つくることは実績につながり,こわしたり,縮小したりではなかなか実績につながらないだろう.
(博覧会を中止した青島幸男さんの,あの決定をどう考えるかは,ちょっと思案する必要があるかもしれない.でも,大阪,どうなんだろう)

そういえば,大阪府の美術作品の管理が問題になっていたな,と思い出す.
知事が替わった影響でもあったのだろうか.その辺の事情は,報じられないから,ただ忘れられていただけなのかもしれないけれど.

で,「民」だったら?


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「美術館なくすな」ファンの声で再開 地方の文化施設、物価高が直撃
遠藤和希2023年11月8日 7時00分

 家計や商店の経営を圧迫する光熱費高騰や相次ぐ商品の値上げ。そんな物価高の影響で、台所事情が苦しいのは地方都市の美術館や博物館も同じ。全国有数の施設数を誇る長野県内では、コロナ禍による入館数減少の影響を引きずり、中には運営者の高齢化による後継者難に悩む施設もある。岐路に立つ文化施設の実情を探った。

コロナ禍で収入減、節約でしのぐ

 長野市の川中島古戦場史跡公園に立つ市立博物館は1981年の開館。プラネタリウムも備える同館の入館者は例年3万人を超える。

 長野盆地の歴史や風土を紹介する博物館の収蔵品は約10万点。昨春には川中島の戦いについての常設展示室もつくった。2022年度の博物館の歳出は分館も含めて約2億2200万円だった。運営費の多くは市の予算からまかなうが、23年度の場合、2千万円近くは入館料収入をあてる。

 ただ、コロナ禍がその収入を直撃した。コロナ禍で入館者数は半減、今も回復しきっていない。さらに、エネルギー価格の高騰が重なり、昨年度の電気代は当初予算から約3割増に。

 電気代は市の予算の増額でまかなったものの、収入減は施設や展示への関心を高めてもらうための資料作成費などを節約してしのぐ。学芸員の成田健館長補佐は「学校や団体客は戻ってきたが、紙代も上がり負担は増している。節電や冊子の発行部数を減らすなどして何とか予算内でやりくりしている」。

 県内の博物館や美術館を会員とする長野県博物館協議会の笹本正治会長は「コロナで減った客を呼び戻すためにも魅力ある作品を充実させる必要がある。だが運営費を切り詰めるなかでそれも難しく、県内の博物館では美術品や資料の維持管理も大変になっている」と明かす。

 東京の国立科学博物館も8月、光熱費や資材の高騰で、標本の収集保管などにあてる費用が危機的な状況にあると訴え、クラウドファンディング(CF)で寄付を募りはじめた。

年間120万人を集めた人気ミュージアムが閉館

 私設の施設への影響はより大きい。長野県安曇野市では、コロナ禍のあおりで20年12月末に美術館を併設したガラス工芸のテーマ施設「安曇野アートヒルズミュージアム」が閉館した。一時は年間120万人の来場者を集めた施設だった。

 一方、小規模な個人美術館では運営者の高齢化も重い課題としてのしかかる。安曇野市の有明美術館は1990年代、年間1万人ほどの入館者でにぎわった。しかし、70代を超えた館長夫婦による運営の負担や後継者不足、維持管理費の重荷がもとで2019年に一度は閉館した。

 ところが、すぐに予想外の反応があった。「有明美術館をなくしてはいけない」。そんな電話が同館を知るファンから続いた。希望者には個別に作品を見せることも増え、声に押されて今年9月に美術館を再開したが、その壁となっていたのは、やはりコロナ禍と物価高で膨らむ維持管理費だった。

 同館に並ぶのは「原爆の図」を手がけた丸木位里さん・俊さん夫婦に描いてもらった絵画や彫刻、古陶磁など約70点。ファンの思いに支えられて運営を続ける松村英館長(93)は「美術館は自分に合った作家を探す場所でもある。どうしてもはやりで運営には波がでるが、好きな作家、作品と向き合い、ゆっくりみることができる美術館として原点に返りたい」という。

 同館は今後も運営方法を模索していくつもりだ。

運営の持続可能性、軽井沢で議論

 美術館などの文化施設が集まる長野県軽井沢町で8月、建築家や地元町長らが地域の文化について話し合った「まちづくり交流会」。ここでテーマとなったのも美術館や博物館の持続可能性と経営の課題だった。

 パネリストの一人、脇田美術館(軽井沢町)の水野誠一評議員は「今は国の美術館も独立行政法人という形で、資金難が共通した問題」と指摘。民間のサポーターから寄付が集まる米国のメトロポリタン美術館を例に「日本の寄付の税制自体を考える必要がある。控除は少なく、私設に対しての待遇も十分でない」と訴えた。

 軽井沢安東美術館(同町)の安東泰志代表理事は、「価値を永続的に提供するためにはまず、キャッシュフローを黒字化しないといけない。町には財政的な支援ではなくて駅中の美術館の案内に記載するなど、公私の分け隔てない文化振興をしてほしい」と話した。

 文部科学省が今年3月に公表した2021年度の社会教育統計調査によると、国内の博物館数は類似施設を含め5771と過去最多に。ただ、約10万人で推移していた1施設当たりの利用者数は20年度にコロナ禍の影響で半減するなど運営をめぐる状況は厳しい。

運搬費用や保管のための電気代もかさむ

 エネルギー高の影響は展示だけにとどまらない。県博協によるとガソリン代の高騰で美術品や資料を県内に運ぶ費用や、作品を保管する収蔵施設の温度・湿度管理の電気代もかさんでいる。展示の充実や教育普及に必要な費用への影響を抑えようと多くの施設が自助努力を重ねているという。

 県博協が事務局を置く県立歴史館(千曲市)も、ふるさと納税型のクラウドファンディング(CF)を「川中島合戦における武田信玄(晴信)書状購入プロジェクト」に活用した。史料を収集し、伝え守る意義を丁寧に説明することで約200人から購入費用計339万円を集めることができた。

 県博協の笹本会長はいう。「時代の曲がり角に過去を正しく認識するためにも、収蔵品を次の時代に伝えていくことが博物館の義務。収蔵庫を守っていくことも含めて、みなで考えていかなくてはならない」(遠藤和希)


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宗教の違い、認め合って 日本ムスリム協会・樋口前会長、語り続けるイスラムの真意

2023年11月08日(水)

ちょっと古い新聞記事が目にとまった.
ムスリム.

中田考さん,影響を受けたらしい若い人が,ISに参加するということだったか,
それでなぜだかよくは知らないけれど,身柄を拘束されたのだったけれど,
ちょっと興味をもったのだったか.

そういえば,ムスリムはイスラム教徒,イスラムの教えに従う信徒の集団ということか.
それで,ユダヤも似たようなものか.
ついでに,キリスト教も.

民族とか,国家とか,
ムスリムとは別のもの.
……といいつつか?

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宗教の違い、認め合って 日本ムスリム協会・樋口前会長、語り続けるイスラムの真意
2015年5月23日

 「日本人ムスリム」の顔として最前線に立ち続けている日本ムスリム協会(東京都渋谷区)の前会長、樋口美作(みまさか)さん(79)。2001年の米同時多発テロの際も殺到する取材に対応し、いままた、過激派がらみの事件が多発する中、イスラムの教えの真意を方々で説き続けている。留学でエジプトを訪れてから今年で50年。日本人ムスリムとして生きる樋口さんの思いとは。

 関西で400回以上も続く宗教者懇話会。樋口さんの講話「イスラムの現状 光と影」が5月14日、大阪市内であった。

 「彼らはイスラム教に反している」――。過激派組織「イスラム国」(IS)による邦人人質事件を批判したうえで、参加した仏教関係者らを前に宗教間対話の必要性も訴えた。

 「違いを認め合うことが大切。他宗教を知ることで、自らの宗教への理解をさらに深められる」

 樋口さんによると、ムスリムの在日外国人は10万~15万人。日本人は1万~1万5千人。国際交流の進展や国際結婚で年々増え、以前に比べれば日本社会のイスラムへの理解も進んだ。

 ところが、過激派がらみの事件続発で、在日外国人ムスリムの中には職場を追われたり、日本人ムスリムでも家族関係を悪化させたり、せっかく入信しているのに教えから離れてしまったり。そうした事態を変えたいと、誤解を解くための講演や対話を続けている。

 「『失うものが少ない年寄りは束縛を受けている若者の代わりに声をあげるべきだ』。平和運動でのアインシュタインの言葉です。私も何かできないかと」

 初めからイスラムの教えに共感したわけではない。早稲田大卒業後、海外留学への思いが募った時に知ったのが、エジプト政府招請の留学生募集。応募の条件が「イスラム教への入信」だった。

 酒類や豚肉類は禁止で一日5度の礼拝。当初は何度も逃げたくなった。1965年、カイロのアズハル大に念願の留学を果たしたが、騒然とした国情や不平等な光景に、失望の連続だった。

 ところが暮らしに慣れるにつれ、殺伐と見えた社会にも、遠い国から来た自分たちに手を差し伸べてくれる心温かな人々がいることに気づいた。イスラムの同胞愛を知り、失望は誤解と偏見だったことに気づかされた。その後、日本航空に入社。サウジアラビアやエジプト、イラクで暮らし、信仰は揺るぎなくなった。

 1990年から2003年まで日本ムスリム協会の会長。退任後も、最前線に立ち続ける。

 4月上旬、国内外のイスラム指導者と日本の宗教者による国際会議が東京都内であった。日本人ムスリムとして、神道、伝統仏教との類似点を語ったうえで、会場に問いかけた。「私たちの国には戦争がない。だからといって平和な社会でしょうか」

 少し前まで年間自殺者は3万人超。経済格差も広がる。日本は人心がすさんだ戦場なのではないか。その点、日本が忘れかけている家族愛や貧困者への支援などは、イスラム社会に息づいているという。

 「日本に住むムスリムがイスラムの美徳を忘れず、平和で中道な生活を送るならば、語らずして私たちへの理解が広がっていくと思うのです」(藤生明)

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大企業の人件費割合、最低水準に 労働分配率、過去50年で

2024年03月11日(月)

春闘は順調?
それにしても,時の政権,それも保守政権が,賃上げ促進とか,
なんとも不思議な風景かと思う.

きょうは,株価の大幅下落とか.

労働生産性が低い……とか,しかし,個別の労働者が問題なのではない,と思うのだけれど.
売れない商品をつくっても,売れない.
で,それは,働く側の問題か?

ジョブ型とか,
昔,すこしばかり本を読んでいて,job description,職務記述書とかいっていたか.
裏側から見れば,記述可能な仕事,というところか.
仕事の能力がどうか,ではなく,
その仕事ができるか,で判断しましょう,ということだったと思う.
採用にあたって,さしたる制限などはないような仕事,というところか.
給料は,基本的に固定されているのだろう,たぶん.

で,企業の内部留保ばかりが膨れ上がっていたとか,メディアが報じる.

あるいは,株主の文字が,メディアによく登場するようになったのは,いつごろからか.
創業時の,さあ,これから船出という時のriskは理解できるように思う.
でも,さて,いまどんな時代だったか.
株主は,どんなriskを負担しているのだろう,と思うことがある.

それで,経営とは,なんなのだろうか.
あるいは,労働組合か.

きょうは,3.11.
原発のリスクを,東電の経営は,どう判断したか,
その答えのひとつかもしれない.
だから,原発そのものの是非については,もうすこし議論が必要だろうと思うのだけれど.

それから,都市計画の土地利用規制は,なんのためなんだろう,とも思う.
そこは,住んではならない,住むのに適さない,と経験が教えていたのだろう.

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大企業の人件費割合、最低水準に 労働分配率、過去50年で
2023年11月6日 5時00分

 企業が人件費をどのくらい払っているかを示す「労働分配率」が、大企業はこの50年で最低水準に落ち込んでいることがわかった。財務省が公表する法人企業統計のデータを分析したところ、大企業ほど人件費に回すお金を抑えていた。中小企業は比較的お金をかけているが、今後は生産性を上げないと賃上げもままならないと、専門家は指摘する。

 労働分配率は企業の経営状態を測る指標の一つ。企業が生み出した付加価値(役員と従業員の人件費、経常利益、賃借料、税金や利払い費、減価償却費の合計)のうち、人件費が占める割合のことで、値が高いほど人への配分が厚い。

 日本全体の傾向を探るため、財務省がまとめた2022年度の法人企業統計をもとに、企業の規模ごとの労働分配率を算出した。

 金融・保険業をのぞく全産業の労働分配率は53・7%で、前年度より1・0ポイント下がった。過去50年間の平均(58・8%)から遠ざかり、人件費にあまりお金を回さなくなったといえる。

 顕著なのは資本金10億円以上の大企業だ。08年のリーマンショック以降、ほぼ右肩下がり。22年度は前年度より2・0ポイント低い36・6%で、大企業の過去の平均(44・4%)を大きく下回り、この50年で最低だった。

 伊藤忠総研の武田淳氏は「バブル崩壊後、大企業はリストラで利益を確保するようになり、人にお金を回してこなかった。連合は来年の春闘で5%以上の賃上げ目標を掲げており、大企業に限れば高水準の賃上げができるはずだ」とみる。

 中小企業はどうか。資本金1億円未満の企業の労働分配率は66・3%で、前年度より0・3ポイント下がった。データをさかのぼれる過去20年の平均(68・8%)との差は小さい。

 大企業よりも分母となる利益水準が低いうえ、人手がかかる事業を営んでいたり、役員報酬の占める割合が高かったりするため、簡単には上がらず、逆に下がりにくくもある。武田氏は「中小企業の労働分配率はすでに高い水準にあり、賃上げの実現には生産性を高め、価格転嫁を進めて稼ぐ力もつけなければならない」と指摘する。(米谷陽一)
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テレビを見ながら,ちょっと考えた ガザーイスラエル

2023年11月06日(月)

ちょっと思いつくままに.

ヨーロッパの「反ユダヤ」ついて,「識者」やジャーナリストが語っていた.
いまひとつわからないのだけれど,
その「反ユダヤ」とは,どういう意味なのだろう.
「反」の対象である「ユダヤ」とは,どんな実態を指しているのだろう.

不勉強で,どうのこうのとなかなか言えないのだけれど,
ユダヤ人とは,ある民族集団を指す言葉ではなかったと聞く.
ユダヤ教を信ずること,その教えに従って人生を送る人の集団ということだったのではないか,
と聞いたように思う.

シオニズム.
ある時期,ユダヤ教とシオニズムをおなじように受けとめていたかもしれない.

「X」のうえでは,シオニズムとユダヤ教は別物なのだ,という主張も見られる.
じっさいすべてのユダヤ人が,イスラエルに住んでいるわけではない.世界中に散らばって住んでいる.
では,シオニズムとユダヤ教,ユダヤ教徒との関係は,どうなのだろうか.
大手のメディアでは,ほとんど語られない.
「X」のうえでは,たぶんユダヤ教徒に対して暴力を振るうイスラエル警察の姿が流される.
この映像を,どう解釈するのか…….

一部で解説されているけれど,イスラエルにパレスチナ人が住んでいないわけではない.
彼らは,イスラエル国内でどのような扱い,政治的な位置づけ,社会的,あるいは経済的な位置づけをえているのだろうか.

もちろん同様のことが,ちょうど写し絵のように,パレスチナ人にもいえるのかもしれない.
イスラム教徒とは?
イスラム国家とは?
あるいは,イスラム教内のさまざまな信仰集団と,それぞれの異同,
政治的,あるいは経済的な違い,あるいは相互の関係など…….

振り返れば,パレスチナの地には,イスラム教徒とユダヤ教徒,キリスト教徒が共存して暮らしていたのではなかったか.その共存の実態がどうであったかよく知らないけれど,紛争が続いていただろうか……どうもそういう話を聞くことはあまりなかったように思う.

イスラエルは,神の国なのだろうか?
もしそうだとすると,その神とは,どういう教えをもたらしているのだろうか.

おなじように,ハマスという組織を支えているものはなんなのだろうか.
かれらが,たんじゅんに暴力的にガザの支配権を握ったのでないことは,たしかに見える.

テロリストは抹殺してよい,というような理屈は,いつごろ生み出されたのだろうか.
多くの場合,テロは,相対的に「弱者」が選択する,「敵」への対抗手段だったのではないか.
もちろん「白色テロ」と呼ばれる暴力もあったのだろう.たとえば,フランス統治下のアルジェリアなどを,思い出す.

ちょっとズレるけれど,
アイルランドがとりあげられていた.親パレスチナの立場に立つ国,として.
「ライアンの娘」という映画があった.
そのなかに,アイルランド独立運動への武器が,ひそかに陸揚げされるシーンがあった.武器は,ドイツからもたらされたものだったはずだ.では,アイルランド独立運動は,ナチの「友」であっただろうか.
アイルランドは,カトリックの国だった.
ドイツは?
イギリスは?

そんなこともあって「トーラーの名において」をめくってみようと思ったのだけど,
ちゃんと読めるだろうか,あまり自信はないけれど.

ロシアーウクライナでも,正教の問題がちょっと引っかかる.
歴史的な経緯も,ちょっと気にかかる.
ボルシェビキは,どう見ていたんだろうか,とか.

そういえば,イスラエルの初期の政治家に,ロシアーソ連からの移住者が多く見られるらしい.東欧圏からの移住者も.それは,なにかしらの影響を現在に残しているのだろうか.

ユダヤ教徒が,とくにヨーロッパで差別され,抑圧されてきたのは,たしかなのだろう.
ある種の偏見に曝されてきた……というが,なかなかその実態を理解するのは,遠い極東ではむずかしいのかもしれないが,
いや,列島でも,同じようなことはあったし,現にあるかもしれない.
それで,ヨーロッパだけれど,たとえばロマは,かつてジプシーとも呼ばれたか,ヨーロッパ各地でどのように見られていただろうか,どのように位置づけられていただろうか.
北欧中心にサーミ,あるいはサーメと呼ばれる集団もいる.彼らはどうだったろうか.
……この列島だって,同様なのだ,と思うことがある.

もどろう,戦いの当事者に,圧倒的な軍事力の違いがあるとき,弱い方は,たとえばゲリラ戦とか,あるいはテロとか,非正規戦を戦うのは,多くみられるところだろうと思う.
かつてのベトナム戦争も,北側の積極的,公然たる介入の前は,まさにゲリラ戦,またサイゴンなどでの僧侶の焼身自殺などが頻繁に見られた.
ある意味で「貧者」の戦いの常道とも見える.病院や学校などの近くに浜須賀軍事拠点を設けているというイスラエルの主張は,当たっているのかもしれない.だから,そこを攻撃対象とするのだろうか.
いや,先の大戦における無差別爆撃を見よ,ということかもしれないけれど,
あるいは,まさに原爆がもたらして戦争のスタイルかもしれないけれど.
それで,いちおう戦後秩序の中で,そのような戦争のスタイルを変えようとしてきたのかもしれない.
どうなのだろう.

まとまらないまま…….



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片山善博(165) 首相公邸「悪のり忘年会」から見える病理

2023年11月06日(月)

秋は深まっただろうか? お天気のニュースは,夏日の話で盛り上がる.
しかし,旧暦で見ると,まだ秋の入り口あたりだろうか.

こんなニュースもあったな,と思い出す.
最近も,週刊誌かなにかに登場していたような気がする.

政治(家)は,職業なのだろうか,と思う.
まるで家業のような.

ある証券会社は,社員の子弟を入社させない,と聞いたことがあった.
もうずいぶんむかしの話,いまはどうなっているか.
自分が働くようになって,そうだな,とうなずいた.

合州国では,ワシントンの子孫がふつうの市民として暮らしている,と報告したのは,
誰だったか.
しかし,JFKにつながる人が選挙に出るのだとか、報じられている.

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【世界】2023年08月

片山善博の「日本を診る」(165)
首相公邸「悪のり忘年会」から見える病理


 岸田文雄首相の長男で首相秘書官だった翔太郎氏をめぐる一連の騒動を見ていて、「政治は一寸先は闇」ということを思い出した。首相は満を持して臨んだG7広島サミットを成功裏に終わらせることができた。国際社会における岸田首相の存在感は俄然高くなったし、国内での支持率も上昇し、政権を大きく浮揚させることにつながった。
 これまで党内有力派閥に気を使い、その顔色を窺いながら政権の命脈をつないできた感のある岸田内閣は、これを機にやっと自前の政権運営が可能になるのではないか。サミットの余勢を駆って衆議院の解散総選挙に打って出れば、勝利は固い。そう考える人も多くなった。
 ところが、首相公邸での翔太郎氏をはじめとする親族らによる「忘年会」の写真が報道されて以来、雲行きは一気に変わった。国民から厳しく指弾され、せっかくの支持率もあっという間に下がってしまった。
 結局、首相は衆議院を解散しなかった。本当は先の国会会期中に解散総選挙をやりたかったのだと思う。それを臭わせる発言があり、野党やマスコミは「いたずらに解散権を弄(もてあそ)んだ」と批判していたが、むしろつい本音が口をついて出たのではなかったか。
 解散しなかった、あるいはできなかった理由や背景には、首相の側近政治家の異性スキャンダル報道もあったのだろう。マイナンバーカードの数々のミス発覚も大きかった。ただ、もしあの忘年会事件がなければ、また違った道行も考えられたように思う。忘年会事件が明るみになったことと、その後のまずい対応によって、首相は自らの政治資源の多くを失うことになった。

■「ナメナメ少年」と「寝そべり青年」との類似

 識者の中には、忘年会事件など大したことではないと言う人もいる。組閣ごっこをしたり、公邸の赤絨毯(あかじゅうたん)の階段に寝そべっていたりして、子どもじみているのは確かだが、だからといって物を壊しているわけでもないし、誰かを傷つけているわけでもない。首相が厳重に注意したのだから、それでいいではないかという。
 理屈の上ではそんなふうに整理できるのかもしれないが、忘年会事件には理屈を超えた違和感や「いやーな感じ」を抱いた人が少なくなかった。かくいう筆者もその一人である。赤絨毯に寝そべっている青年の姿を見て、つい連想しなたのは、大手回転寿司チェーン店で醤油ビンを嘗め回していた少年のことである。
 この少年は幼児ではないのだから、寿司店でこんな迷惑行為をするのがいけないことだという認識はあったに違いない。その上で、あえてその禁を犯して悪ふざけを試みることにある種の快感を覚え、それを勇気ある行為として受の取ってもらえるものと思ってSNSに投稿したのだろう。結果的に世間から糾弾され、挙句の果てに巨額の損害賠償金を請求されるに及んで、自らの浅はかさを恨むことになったと思う。後悔先に立たずとはこのことである。
 「寝そべり青年」も、公邸でこんな行為をすべきでないというぐらいの分別は持っていただろう。そこは外国の賓客を迎えた際などに使用されるから、常に厳かな空間として管理されている。もし写真が世間に出回れば、その空間がもたらす価値(非財産的価値)を著しく毀損することは容易に想像がつく。のみならず、その悪ふざけによって世間から受ける代償が大きいだろうことも容易に想像がつく。
 でも、そのやってはいけない悪ふざけをあえてやり、それを写真に収めたのは、「ナメナメ少年」と同じ心理が働いたからだろう。SNSに載せるつもりはなかったたろうが、親しい誰かと共有し、「どうだ、俺はみんなが入ることのできない首相公邸でこんなことをしてきたのだ」と驚かせたい、羨ましがらせたい気持ちがあったものと推察する。
 たとえ、その誰かに「絶対に秘密だよ」と念を押していたとしても、いったん共有してしまえば、それが思わぬ所に拡散する可能性があることはデジタル社会の今では常識である。この常識を、当の「寝そべり青年」とそれを撮影した人はもとより、その愚行を制止しなかった周りの面々も持ち合わせていなかったと見える。政権の危機管理能力の甘さと低さに、ただ呆れるばかりである。

■「世襲」では北朝鮮を笑えない

 そもそも昨年一〇月、翔太郎氏を首相秘書官に起用した時点で、その正当性が問われていた。首相秘書官という重要なポストに経験の浅い息子を就(つ)けるのは「身びいき」が過ぎるのではないか。この批判に対して、首相は「適材適所の観点から」判断したと説明していたが、それで納得した人はほとんどいないだろう。
 ただ、人の噂も七十五日というとおり、批判はなんとか収まっていた。ところが、忘年会事件によって身びいきや世襲への批判が再燃することとなり、秘書官就任時から今日までの翔太郎氏の様子がテレビに映し出されることになった。それを見た多くの人は、そもそも首相が自分の子どもを甘やかして要職に就けたからこんなことになったのではないかと、あらためて身びいきに対する批判を強めることになった。
 しかも、首相が翔太郎氏をかばい続け、その更迭(こうてつ)を遅らぜたばかりに、国民はその間ずっと首相父子が一緒に歩く姿をテレビで見せられていた。それが国民の世襲批判の火に油を注ぐことになったのは、なんとも皮肉なことではあった。
 首相が翔太郎秘書官を連れて歩く映像は筆者も見た。その光景は、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記が公務に娘を帯同している姿をどことなく彷彿とさせる。総書記の娘さんがどんな役職や肩書きなのかわからないが、連れて歩く父親の意図は、自分の後継者としての可能性を内外に知らしめているものと推測される。
 翻って岸田首相である。まさか首相の後継者というわけにはいかないが、せめて国会議員を世襲させたいとの思惑から首相秘書官に起用し、そこで経験を積ませ、顔を売り、人のつながりを広げさせたいと考えていたと見るのが常識的だろう。もしそうだとすれば、両首脳のやっていることはよく似ている。
 かなり以前のことだが北朝鮮を訪れた際、向こうの政府の官僚に、貴国の最高権力者が世襲であるのは「民主主義人民共和国」という国名と矛盾しているのではないかと、皮肉交じりに問うてみたことがある。それには、「日本とは異なる仕組みではあるが、わが国も選挙で代表を選んでいる。今の最高指導者も世襲で選ばれたわけではない。人民が共和国のために最もふさわしい人を選んだら、たまたま先代の子息だったに過ぎない」と真顔で答えていた。
 さらに、「日本は公正な選挙をやっているというが、結果的に総理大臣の多くは世襲議員ではないか。何かカラクリがあるのではないか」と、逆に尋ねられもした。その時は「何もない」と答えたものの、昨今の世襲の氾濫を見るにつけ、この官僚の指摘が妙にリアリティを感じさせる。首相父子が一緒に歩く映像をしみじみと見せられ、日本は世襲の北朝鮮を笑えないことに気づかされた。

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